コラム
COLUMN
乾燥が気になり、「普段のスキンケアだと保湿力が足りない」と困っている方はいませんか?本格的な冬場を乗り越えるためにも、乾燥肌の方はとくに念入りなスキンケアが大切です。
そこで乾燥肌の方には、水分量を多く含むローションの使用がおすすめです。水タイプのローションは、さっぱりとしたテクスチャーが特徴的で、肌に浸透しやすく素早く潤いを補給することが可能です。
ここでは、ローションの肌に対する役割や、適切な選び方を紹介します。スキンケア選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
乾燥肌におけるローションの役割とは?
そもそも乾燥肌とは、加齢、生活習慣の乱れ、ストレスなどで角質層がダメージを受け、肌のバリア機能が崩れてしまった肌内部の水分が不足した状態を指します。
乾燥肌になってしまうと、肌が粉を吹いているように見えたり、かゆくなってしまったりするほか、ニキビや肌荒れといったあらゆる肌トラブルを引き起こす要因にもなりかねません。
そうならないためにも、乾燥から肌を守る保湿ケアを行いましょう。とくに乾燥が気になる方には、水分を多く含んだローションタイプのスキンケアをおすすめします。
ローションは主な成分が水で作られているので、直接肌に水分を与えることができ、肌へ浸透しやすい特徴があります。また、比較的さらっとしたテクスチャーで、さっぱりとした使用感が魅力的です。
しかしローションで与えた水分は、蒸発しやすい性質も持っているため、この水分を逃さないためにも、ローションを塗ったあとは乳液やクリームで肌にフタをすると、より保湿効果が期待できるでしょう。
乾燥肌の方におすすめのローションの選び方
前述したとおり、肌に水分を与えることはとても重要です。乾燥肌の方はとくにスキンケアのベースとなる、ローションの選び方について知っておくと良いでしょう。
ここからはローション選びの3つのポイントについて詳しく紹介します。
保湿成分が含まれたローションをチェック
直接肌に触れるものだからこそ、含まれている成分は気になりますよね。
一般的にローションには、ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド、グリセリンといった保湿効果が期待できる成分が多く含まれています。これらについて詳しく説明していきます。
ヒアルロン酸は1グラムに対して、6リットルもの水分を保持する能力があり、とくに保水力の高い成分です
コラーゲンはヒトの皮膚の約70%を構成する成分で、肌に水分を与えながら、ハリや弾力をアップさせる効果に期待ができるでしょう。
セラミドは細胞間脂質の主成分とされ、肌の水分を保ちながら表面のバリア機能を正常に戻す効果に期待ができます。
グリセリンは強い吸湿力を持つことから、高い保湿力が特徴的です。そのため、化粧品や軟膏などによく利用されています。
乾燥肌にとって低刺激かどうかをチェック
ローションといっても人によって相性はさまざまです。肌は乾燥するとバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。
この症状がひどくなると、普段から使用している化粧品でも刺激を感じてしまうこともあります。
これらを防ぐためには、まず肌にやさしい低刺激性のローションかどうかチェックしましょう。
香料、防腐剤、アルコール、合成界面活性剤、鉱物油は肌の負担になりやすい成分のため、乾燥肌の方はこれらの成分が入っていないか調べてみてください。
長く愛用するためにも使用感をチェック
基本的にローションは、乳液やクリームと異なり、さらっとしているものが多いですが、なかにはとろみのあるしっとりとした使用感の製品もあるので、自分に合った使用感を探してみてください。
また保湿に優れているしっとりタイプのものや、高保湿性を謳った高価なものが必ずしも乾燥肌の方に合うとは限りません。
自分の肌が水分不足による乾燥肌なのか、油分不足から起こる乾燥肌なのか、きちんと理解したうえで肌の状態に合わせたスキンケアを使い分けると良いでしょう。
また、ローションは季節問わず使用しやすいため、自分に合った使用感を見つけることが大切です。
なかには試供品やトライアルセットとして販売されている製品もあるので、それらを活用しながら自分に合ったローションを探してみてください。
乾燥肌の方がローションを塗るときのコツ
これまでローションの役割について説明してきましたが、乾燥を防ぐために、ただ塗れば良いというわけではありません。
ここで注目していただきたいのが、塗布のタイミングです。
入浴後や洗顔後は水分が蒸発し、肌が乾燥しやすくなります。そのため、乾燥を防ぐためには、肌がまだ少し湿っているぐらいの状態で水分を補給すると、より高い保湿力を期待することができます。
使うローションが少量だと十分な効果が発揮できない場合があるので、たっぷり塗ってすみずみまで浸透させるよう注意しましょう。
使用する量はだいたい1円玉程度の大きさで、手のひら2枚分の適量とされ、ローション使用後にティッシュを肌に張り付けて落ちてこなければ、十分に使用できている目安となります。
どれくらいの量を使用すれば良いか分からない方は、製品の説明を確認してみてください。
また、塗るときに肌に刺激を与えてしまうと、せっかくのバリア機能が低下してしまう恐れがあるため、やさしく塗布しましょう。強くパッティングしたり、ゴシゴシ擦ったりすることはなるべく控えてください。
ローションは1日1回の使用では、十分な保湿効果が得られない可能性もあるため、1日2回はローションを使用するのがおすすめです。
手の乾燥が気になる場合、手を洗うことで油分が落ち、乾燥につながってしまうため、トイレ後や食事前など、手洗いと一緒に保湿も行うよう心がけてみてください。
乾燥肌にはローションなどの保湿剤でしっかりとケアをしよう
乾燥した日々が続いています。この乾燥から肌を守るためにも日々の保湿ケアが重要です。
自分に合ったローションや保湿アイテムなどを活用し、肌にうるおいを与える意識をしてみてください。
今回ご紹介したローションの役割や塗るコツも参考にしながら、毎日やさしく肌のケアに努めましょう。
皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。
兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。
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乾燥肌治療薬
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第2類医薬品
- クリーム
- ローション
- スプレー
- Hクリーム
- 泡フォーム
川﨑医師よりコメント
乾燥肌が強くなり、肌荒れを起こしている場合、化粧水に入っている一部の成分が刺激となってしみたり炎症を起こしたりする場合があります。肌荒れが強い場合は、一度に全顔に塗布しないで、一部分のみで大丈夫かを確かめてから使用しましょう。