VOL.9 便秘の解消に! 断食や今流行りのプチ断食の効果について
十分な食事と睡眠をとっているのに、なぜか便秘になってしまうという人はいませんか? そんな人は、『断食』を試してみると良いかもしれません。実は、断食は便秘の解消に効果が期待できるといわれているのです。今回は、断食と便秘の関係と、便秘解消におすすめの『プチ断食』の方法についてまとめました。
断食、プチ断食とは?
体質の改善や、ダイエットなどを目的に断食を行う人が増えています。そもそも断食とはどう行った行為なのでしょうか。まずは断食、プチ断食の概要についてお伝えします。
・断食
断食とは、一定の期間食べ物の摂取を断つ行為です。古くから宗教的な祈願や、精神鍛錬のための修行などとして行われてきましたが、最近では体内をデトックスするために試みる人も増えています。
・プチ断食
プチ断食とは、断食と比べて短い期間、固形物の食べ物の摂取を断つ行為です。主に、健康目的行う人が多く、日常生活にも取り入れやすいといわれています。実施する期間や方法に医学的な定義はありませんが、一般的には半日〜2日間ほど固形の食べ物を摂取しない方法のことを指します。
●なぜ断食が体に良いのか
人間の体は、食べた物を消化吸収する際にフルマラソン1回分相当のエネルギーを消費するといわれています。断食によって食べ物の摂取を控えることで、そのエネルギーを疲労回復や治癒力の向上といった体内の他の働きに回すことができるようになるため、体の機能回復に効果的と考えられています。
断食、プチ断食を行うことによる便秘への効果
断食、プチ断食は、便秘の解消にも効果があるといわれています。ここでは、主な効果を2つ紹介します。
・胃腸の機能が回復する
現代人の多くは、脂っこい食事やお菓子、アルコールなどを取りすぎている傾向があります。そのため、胃や腸などの消化器官は働きすぎで疲弊した状態となり、動きが鈍って、便秘を発症してしまうケースがあるようです。そんな時に断食をすると、胃腸を休ませることができるので、消化機能が回復して便通も良くなると考えられています。
・腸のぜん動運動が活発になる
腸のぜん動運動は、交感神経と副交感神経からなる自律神経によってコントロールされており、副交感神経が優位に働くと腸が活発に動くといわれています。しかし、食べ過ぎなどで胃腸に負担がかかると、自律神経のバランスが壊れてしまい、腸のぜん動運動も弱ってしまいます。そのような時に断食をすれば、副交感神経を一旦休ませて、乱れた自律神経のバランスを整えることができるようです。
便秘を解消するプチ断食の方法
上記で述べたように、断食は便秘の解消に効果が期待できますが、いきなり長期間の断食を行うのは望ましくありません。まずは短期間、固形物の摂取を控えるプチ断食から始めましょう。ここでは、初めての人でも挑戦しやすい半日で行うプチ断食の方法を紹介します。
・断食前日
朝食、昼食はいつも通り食べます。夕食は普段の食事量の半分から8割程度に抑えましょう。
・断食当日(朝・昼)
断食の当日は朝食と昼食を抜き、その代わりとして野菜ジュースかフルーツジュースをコップ1杯飲んでください。市販のものでも構いませんが、できれば手作りジュースがおすすめです。そのほか、水やお茶などの水分はしっかり取るようにしましょう。
・断食当日(夜)
断食して休ませた胃腸の働きを徐々に回復させるため、消化しやすい「おかゆ」を食べましょう。食べる量は、通常の8分目程度に抑えるように意識してください。
・翌日
断食翌日は、通常の食事に戻してOKです。しかし、断食後は胃腸の働きが良くなっているので、食べ過ぎには要注意。できれば断食後1週間ほどは、全がゆや味噌汁、野菜の煮物、果物といった野菜中心の「粗食」を心がけるようにしましょう。
半日程度の断食であれば比較的挑戦しやすいので、ストレスを感じないペースで続けてみてください。できれば、週に1回もしくは1カ月に2、3回の頻度で行うと、効果が高まるのではないかと考えられています。
●断食、プチ断食する際に注意するポイント
断食を行うときは、以下の点に注意してください。
- ・断食中に激しい運動をしない
- ・体調不良の時や、生理中は避ける
- ・断食の時間や日数を無理に引き伸ばさない
また、次の内容に該当する人は、体調を崩す恐れがあるため、断食は行わないようにしてください。
- ・成長期の子ども
- ・妊娠中の女性
- ・胃腸に重い病気を抱えている人
- ・薬を継続して服用している人
- ・脳卒中になったことがある人
- ・体力に自信がない人
まとめ
一般的には、バランスの良い食事を1日3食べることが便秘解消につながるといわれていますが、食べ過ぎで胃腸が疲れている場合は、断食によって便秘が治ることもあるようです。心当たりのある人は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。ただし、断食をする際は、自分の体調をしっかりと見極めて、無理のない範囲で行うようにしてくださいね。