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VOL.74 【医師監修】便秘の人は朝ごはんを食べるべき?おすすめの食品とメニューもご紹介

ストレスや睡眠不足、運動不足など便秘につながる要因は、実にさまざまですが、そのなかでも朝ごはんを含めた食生活は、便秘と密接な関係にあると言われています。

もちろん、食事は1日3食摂ることが望ましいですが、身支度や家事で忙しいため朝ごはんを食べないという方は多いのではないでしょうか。しかし、その朝ごはんが便秘の方にとってはとても重要なのです。

そこで今回は、なぜ朝ごはんを摂ることが便秘に悩む方に大切なのか、朝ごはんを食べるべき理由を解説します。便秘解消につながる朝ごはんのメニューもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

便秘に悩んでいる人は朝ごはんを食べるべき?

便秘を解消へと導くには、生活のリズムを整えることが大事です。その生活リズムのなかの1つとして、食習慣があります。

1日3回規則正しくごはんを食べることで体内のリズムが整えられるので、毎朝決まった時間に朝ごはんを食べて、生活習慣を整えることはとても重要です。

また、ごはんを食べると胃腸が信号を受けて動き出し、便意を感じやすくなります。便意を感じたときに我慢をせずトイレに行くようにしていれば、朝食後トイレに行く習慣がつくりやすくなるでしょう。

便秘改善につながる朝ごはんメニュー

朝ごはんを食べるだけでも、胃腸が動かされ排便されやすい状態になりますが、便秘解消を目指すには、朝ごはんのメニューも意識することがおすすめです。

ここからは、便秘解消効果が期待できる食品や栄養素、朝ごはんに取り入れやすいメニューを紹介しています。栄養バランスを考えながら、しっかり朝ごはんを食べましょう。

●便秘解消を目指せる「発酵食品」
味噌や納豆などの発酵食品は善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きをします。味噌や納豆には植物性の乳酸菌が含まれていますが、植物性乳酸菌は生きたまま腸に届きやすいと言われています。

味噌や醤油、塩こうじなどは、よく使われる調味料なので、さまざまな料理に取り入れやすいのも特徴の1つでしょう。

便秘の方には、味噌汁と納豆、漬物という和食メニューがおすすめです。とくに、温かくて一緒に水分も摂れる味噌汁は、ぜひ朝ごはんに取り入れていただきたい1品です。

●便秘と言えば「食物繊維」
便秘と言えば、食物繊維を思い浮かべる方も多いと思います。食物繊維は、小腸で吸収されずに大腸まで届く成分のことです。整腸効果も期待されており、おなかの調子を整える「特定保健用食品」の多くに含まれています。

食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があります。

水溶性食物繊維は、海藻や果物、イモ類やキャベツなどの野菜類に多く含まれており、便を柔らかくする作用があると言われています。

一方、不溶性食物繊維は、穀類や豆類、きのこ類に多く含まれており、便の量を増やして、腸を刺激する働きをすると言われています。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、バランスよく摂取することが大切です。朝ごはんなら、わかめとキャベツのサラダ、きのこを入れたオートミールのリゾット風などもおすすめです。

●善玉菌のエサになる「オリゴ糖」
整腸作用のあるオリゴ糖は、腸内環境を整えるために必要な善玉菌を増やす働きをしながらミネラルの吸収を高め、排便を促す効果が期待できると言われています。

オリゴ糖は、玉ねぎやハチミツなどに多く含まれています。ハチミツなどと同じように販売されているので、砂糖代わりとしてさまざまな料理に使えます。

朝ごはんに取り入れられるメニューとしては、乳酸菌を含むヨーグルトにハチミツを入れたものをデザートとして食べるのがおすすめです。オリゴ糖と食物繊維を多く含むリンゴも朝ごはんのプラス1品に良いでしょう。

ちなみに、便秘解消のためには水分を摂取することも重要です。朝起きてすぐにコップ1杯の冷たい水を飲むのも便秘に効果的と言われています。ただし、お腹が冷えやすい方は、常温の水を飲むようにしてください。

朝ごはんをしっかり食べつつ、便秘解消に努めよう

便秘に悩んでいる方は、きちんと毎日朝ごはんを摂って、体内のリズムを整えながら腸内を活性化させることがおすすめです。朝ごはんのメニューは、発酵食品や食物繊維をバランスよく摂取するようにして、根気よく便秘解消を目指しましょう。

また、なかなか便秘が解消せず、症状が続く場合は、クセになりにくい非刺激性の酸化マグネシウムを含んだ便秘薬や、浣腸を試す方法もあります。ご自身の体調と相談しながら、必要に応じて対応するようにしてください。

白畑先生よりコメント
便秘予防の一環として毎日朝ごはんを摂って、体内のリズムを整えながら腸内を活性化させましょう。今回紹介した様々なメニューの朝食を定期的にバランス良く摂取する習慣を毎日の生活に取り入れ便秘予防に取り組んでいきましょう。
監修者

医師:白畑敦
昭和大学医学部を卒業後、昭和大学藤が丘病院、市中病院で消化器外科医として勤務。大腸肛門病疾患でも研鑽を積み、2017年しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開設。大腸疾患(内視鏡治療・便秘治療・炎症性腸疾患など)・肛門疾患(痔核手術・便失禁治療など)を専門分野として診療。

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