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VOL.50 【医師監修】便秘に効くといわれている食べ物を紹介!食生活を改善しよう

便秘になると腸内にガスが溜ってお腹周りにハリを感じたり、人によっては腹痛を感じたりとさまざまな不快感を味わいます。すぐにでも便秘を解消したいところですが、まずは排便をスムーズに促してあげることが大切です。

今回は「便秘解消に効くといわれている食べ物」や「食生活の見直し」について紹介します。便秘にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

便秘に効くといわれている食べ物にはどのようなものがある?

便秘解消には色々な方法がありますが、排便を促す腸内環境を整えるためにも、まずは食生活の見直しが大切です。なかでも便秘に悩んでいる方に積極的に摂って欲しいものは食物繊維です。食物繊維は便量を増やし、排便リズムを回復させる効果に期待ができるといわれています。

食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。文字通り水溶性食物繊維は「水に溶けやすい食物繊維」で、不溶性食物繊維は「水に溶けにくい食物繊維」です。

水溶性食物繊維・便を柔らかくして排泄を促す
・善玉菌を増やす
不溶性食物繊維・便量を増やす
・大腸のぜん動運動を促す

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維はどちらもバランスよく摂取することが望ましく、毎日の食事に上手に摂り入れて欲しい栄養素です。

便秘に効く食べ物について以下で一例を紹介します。

●【便秘への効果が期待できる食べ物】脂質
脂質は三大栄養素の1つで、日々の食事の中で適度に摂取することが望ましいとされています。脂質に含まれている脂肪酸は大腸を刺激するといわれているので、便秘に悩んでいる方は食事に摂り入れてみましょう。

ただし、脂質は「1g=約9キロカロリー」と三大栄養素の中でも高カロリーです。脂質の摂り過ぎは肥満の原因ともなるので、注意してください。マヨネーズやバターなどの調味料にも脂質は含まれているので、料理で上手に活用してみてはいかがですか。

脂質が含まれている
食べ物
・オリーブオイル
・えごま油
・ごま油
・チーズ
・脂身のある肉
・ナッツ類など

●【便秘への効果が期待できる食べ物】海藻類
海藻には水溶性食物繊維が豊富に含まれています。便を柔らかくし排便をスムーズにする効果が期待できるので、意識的に摂取してください。

わかめや昆布・ひじきなどの海藻類は味噌汁や鍋・煮物など、料理で使いまわししやすい食材です。乾物も利用しながら食事に取り入れてみてください。

海藻類・わかめ
・昆布
・ひじき
・海苔
・もずく
・寒天

●【便秘への効果が期待できる食べ物】イモ類
イモ類には不溶性食物繊維が含まれているので、便秘しがちな方に積極的に摂取していただきたい食材です。イモ類は腸管内で醗酵し、ガスを発生させやすい食材です。

一見、便秘解消とは真逆の効果を想像しますが、大腸を刺激するという意味では便秘解消に期待ができるでしょう。

イモ類
・さつまいも
・じゃがいも
・山芋
・里芋
・長芋
・ヤムイモ
・タロイモなど

●【便秘への効果が期待できる食べ物】キノコ類
キノコには不溶性食物繊維が多く含まれており、腸のぜん動運動を活発にして、便を押し出す効果に期待ができます。

キノコ類は肥満や動脈硬化・糖尿病予防にも役立つ食材といわれているので、健康志向の方にもおすすめです。汁物や炒め物・煮物などさまざまな調理方法で料理できる点も嬉しいポイントでしょう。

キノコ類
・しいたけ
・エリンギ
・しめじ
・舞茸
・キクラゲ
・マッシュルーム
・ポルチーニなど

●【便秘への効果が期待できる食べ物】オリゴ糖
オリゴ糖も便秘解消に期待ができる食材。オリゴ糖には腸内の善玉菌を増やす作用があり、腸内環境を整えながらミネラルの吸収を高めて便通を促す効果に期待ができるのだとか。

オリゴ糖は玉ねぎ・アスパラガスやハチミツに多く含まれています。味噌や醤油などの発酵食品にも含まれているので、積極的に料理に活用していきましょう。

効率的にオリゴ糖を摂取したい方は、砂糖の代わりに甘味料として使う方法もあります。糖分は腸管内で醗酵しやすく、大腸運動を高めるといわれているので、ダイエット中であってもきちんと摂取したい栄養素です。

オリゴ糖が含まれている
食材
・玉ねぎ
・サトウキビ
・きゃべつ
・ごぼう
・アスパラガス
・じゃがいも
・ニンニク
・トウモロコシ
・大豆
・ハチミツなど

●【便秘への効果が期待できる食べ物】発酵食品
発酵食品を毎日摂取することで、腸内が酸性化し、善玉菌を増やして腸内環境を整えます。発酵食品には乳酸菌が含まれています。発酵食品に含まれる乳酸菌は植物性乳酸菌のため、ヨーグルトなどの乳製品に含まれる乳酸菌とは違い、生きたまま腸に届きやすい特性があります。

発酵食品はみそや醤油・塩こうじや酒粕など。どれも調味料としてよく使われている食材なので、毎日の食事に取り入れやすいでしょう。

発酵食品・みそ
・醤油
・塩こうじ
・酒粕
・かつお節
・納豆
・酢など

●【便秘への効果が期待できる食べ物】ビフィズス菌を増やすもの
ビフィズス菌は善玉菌の一種。腸内の消化吸収を妨げる働きを持つ悪玉菌の繁殖を抑え、腸内バランスを助ける役割があります。ビフィズス菌はヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆などに含まれていますが、これら以外にもごぼうや玉ねぎ・バナナなどを摂取することで体内のビフィズス菌を増やすことが可能です。

ビフィズス菌を
増やす食材
・バナナ
・ごぼう
・玉ねぎ
・にんにく
・アスパラガス
・ライ麦など

●【便秘への効果が期待できる食べ物】抗酸化作用があるもの
活性酸素も腸内環境が乱れる原因の1つで便秘にも影響を与えます。活性酸素とは呼吸で取り入れた酸素が通常よりも活性化している状態。活性酸素が増えると腸内環境が乱れるだけではなく、生活習慣病や老化にも影響を与える可能性があるといわれています。

活性酸素を適度に除去するためにも抗酸化作用のある食材を摂取しましょう。緑黄色野菜や玄米・緑茶など、色やにおいがある食材は抗酸化作用があるものが多いので、覚えておいてください。

抗酸化作用のある食材
・緑黄色野菜
・果物
・緑茶
・玄米
・全粒小麦など

●【便秘への効果が期待できる食べ物】有機酸を多く含むもの
有機酸を含む食材も便秘改善に期待ができます。有機酸は大腸のぜん動運動を促したり、腸内の善玉菌を増やしたりするため、腸内環境を整えられます。

有機酸は「クエン酸」「酢酸」「リンゴ酸」「コハク酸」などの総称で、新陳代謝を促し、悪玉菌の働きを抑制する作用があります。

有機酸はパインアップルやいちご・りんごなどの果実、牛乳やヨーグルトをなどの乳製品にも含まれているので、今日からさっそく食べてみてください。

有機酸を含む食材・パインアップル
・いちご
・りんご
・レモン
・キウイフルーツ
・バナナ
・牛乳
・ヨーグルト
・プルーン
・梅干し
・ピュアココアなど

便秘に効くといわれている飲み物も取り入れてみよう!

水分が足りないと便が硬くなり、排便が困難になったり、便秘になったりする可能性があります。便を柔らかくしてスムーズな排便を促すためにも、十分に水分を摂るようにしましょう。

冷水や冷牛乳を飲むと胃や腸の反射を促すといわれています。特に便秘解消には起床後の水分摂取が推奨されているので、目覚めの一杯を習慣付けてみてはいかがですか。

他にも便秘に効くといわれている飲み物を以下にまとめましたので、参考にしてください。

便秘解消に
役立つ飲み物
・水
・牛乳
・青汁
・ハト麦茶
・マテ茶
・ルイボスティー
・ローズヒップティーなど

忙しい方は便秘への効果が期待できるコンビニ商品を活用

普段から食事はコンビニに頼っているという方は、便秘に効くといわれている食品を意識して購入しましょう。

例えば、ランチに納豆巻きやサラダ・ヨーグルトを組み合わせたり、デザートとしてドライプルーンや全粒シリアルバー・寒天ゼリーを選んだりしながら工夫してみてください。

サラダと一口に言っても、ごぼうサラダや海藻サラダなど色々な種類があるので飽きずに続けられるでしょう。

また、発酵食品であるキムチや脂質のチーズもコンビニで手軽に購入できます。忙しくて調理をする時間がない方や、料理が苦手な方はコンビニ惣菜も活用してみてください。


便秘解消・予防のための食生活3つのポイント

便秘に効く食べ物だけではなく、食事の取り方を見直すことも大切です。食事の注意点について3つのポイントを紹介しますので、ライフスタイルと照らし合わせながら確認してください。

①1日3食、決まった時間に食べる
毎日決まった時間に食事を取ることで、腸が活発になるといわれています。特に朝食は体内の老廃物や有害無益な物質を体外に排出させる重要な役割も担っています。少量でも構いませんので、忙しくてもなるべく朝食を食べるようにしましょう。

②暴飲暴食を避ける
暴飲暴食も便秘や下痢の原因。暴飲暴食は腸へストレスを与え、腸内細菌が育たなくなってしまうので、注意が必要です。

肥満予防のためにも、適度な食事量を心掛けましょう。ただし、少なすぎる食事量も便秘の要因となってしまいます。「多すぎず、少なすぎない食事量」を意識してください。

③バランスのよい食事を心掛ける
便秘を改善するためには、バランスのよい食事を心掛けることも重要です。偏った食生活は、必要な栄養素を補給できず腸内環境が乱れる可能性があります。ダイエット中であっても「○○だけダイエット」や「○○抜きダイエット」など、偏った食事にならないように注意しましょう。

肉類や卵など、動物性食品の摂取が多くなると、腸内環境を乱す悪玉菌を増殖し、便秘になったり、便やガスが臭くなったりする原因となります。外食が多い方も、野菜中心のメニューを選ぶなどしながら食生活を正していきましょう。

また柿やお茶に含まれるタンニンは、大腸のぜん動運動を抑制してしまう可能性があります。便秘を治すためにも、タンニンが含まれた食べ物は控えるようにしてください。

便秘に効くといわれている食べ物を取り入れてバランスの良い食事を!

便秘に悩んでいる方は、便秘に効くといわれている食べ物を積極的に取り入れて、快便を目指しましょう。栄養が偏らないように、色々な食材を取り入れながら食事を楽しんでください。

調理が苦手な方はコンビニ惣菜なども活用しながら、便秘解消を目指してみてはいかがですか。便通を促すためにも毎日決まった時間に食事をしたり、朝食を抜いたりしないように心掛けてください。今日からさっそく便秘に効く食べ物を取り入れてみてくださいね。


工藤医師よりコメント
便秘の改善に効果が期待できる食べ物はたくさんありますので、無理なくご自分がとり入れ易いものから実践してみて下さい。なるべく複数を組み合わせて栄養バランスが偏らないように意識すると良いでしょう。
監修者

医師:工藤孝文
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。
現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で地域医療に力を注いでいる。
専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。
テレビ・ラジオなどのメディアでは、ジャンルを問わず様々な医療の最新情報を発信している。
NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得した。
著書は15万部突破のベストセラー「やせる出汁」をはじめ、50冊以上に及ぶ。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

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