知って得する! 腸活コラム 知って得する! 腸活コラム

VOL.22 長引く便秘は「むくみ腸」が原因かも? 症状と予防策を解説!

体の「むくみ」と聞くと、顔や手足のむくみを連想する人が多いのではないでしょうか。しかし、むくみやすいのは目に見える場所だけとは限りません。あまり知られてはいませんが、実は腸もむくみやすい部分なのです。それでは一体、どんな理由で腸がむくみ、どのような体の不調が起こりやすくなるのでしょうか。
今回は、腸のむくみの原因や症状、予防法などを紹介します。

「むくみ腸」はどうして起こるの?

●「むくみ腸」とは…
むくみとは、体内の不要な水分が十分に排泄されず、細胞間の水が異常に増加した状態のことを指します。体内の水分は血管やリンパ管を通って全身を回っていますが、長時間同じ姿勢や血管を圧迫する体勢をとっていたり、心臓や腎臓の疾患になったりすると、血流障害が起きて水分がうまく循環されず、むくみが発生するのです。例えば、デスクワークや立ち仕事を長時間続けた場合、足がむくむことがよくあります。これは、足が心臓から遠くて血流が滞りやすいという理由などから起こるもので、足に水分が溜まってパンパンになってしまうのです。また、自覚のない人がほとんどですが、腸などの内臓がむくむケースも存在します。この水分を多く含んでむくんだ腸を、「むくみ腸」といいます。

●腸がむくむ主な原因
それでは「むくみ腸」は何が原因で引き起こされるのでしょうか。考えられる原因を3つ紹介します。

・体の冷え
一般的に、体が冷えて血管が収縮すると、血の巡りが悪くなって血中の水分が滞ってしまいます。冷え性の人が手足がむくみやすいのは、このことが原因となっていますが、これは腸にも当てはまり、むくみ腸を引き起こす可能性があるのです。

・便秘
腸には便に含まれる水分を吸収する働きがありますが、便秘になると腸内に便が溜まり、その水分を吸収し続けてしまいます。そのため、腸に水分が溜まってむくむことが考えられます。
加えて腸がむくむと血行が悪くなり、腸のぜん動運動が弱まるため、さらに便秘を悪化させる原因にもなります。

・慢性的な下剤の使用
便秘を解消するために下剤を慢性的に使用していると、腸の粘膜が炎症を起こして血流が悪化し、「むくみ腸」になる可能性があります。薬を服用する場合は、用法や容量をしっかりと確認し、必要な場合に適正に用いるようにしましょう。

「むくみ腸」が原因で起こる症状

腸のむくみは目視では確認できませんが、体にさまざまな症状があらわれます。次のような異変を感じたら、「むくみ腸」の可能性があるので注意しましょう。

・便秘が慢性化している
上記でも説明した通り、便秘と「むくみ腸」には大きな因果関係があります。3日以上便通がないという状態が1カ月に複数回ある人は、「むくみ腸」を疑った方が良いかもしれません。

・ぽっこりお腹
腸がむくむと、含んだ水分により重くなり、どんどんと下がってくる傾向があります。下腹部が膨らんだ“ぽっこりお腹”が気になる場合は、「むくみ腸」が原因かもしれません。

・太りやすくなる
腸には栄養素の分解や吸収をする働きがありますが、腸がむくむとその働きが鈍り、脂肪や糖などの分解障害を起こす恐れがあります。その結果、体内のエネルギーがうまく消費されず、太りやすくなる可能性が考えられます。


<その他、「むくみ腸」が疑われる症状>

  • ・お腹が固い
  • ・排便はあるが、毎回残便感がある
  • ・おならが臭い

便秘を悪化させる可能性がある「むくみ腸」。効果的な予防法は?

「むくみ腸」にならないためには、腸内環境を整えて、腸内の血流を良好に保つ必要があります。今回は、5つの予防法を紹介しましょう。

・生活リズムを整える
腸内環境を整えるためには、睡眠時間や食事時間をきちんと決め、毎日なるべく同じリズムで生活することが大切です。そうすると体内のリズムも安定し、腸の働きが良くなると期待できます。

・バランスの良い食事を取る
肉や魚などのタンパク質を過度に摂取したり、揚げ物ばかりを食べていると、腸内の悪玉菌が増加したり、胃腸が弱って動きが鈍ったりする恐れがあります。また、過度なダイエットなどで極端に食事量を減らすと、便のかさが減って腸のぜん動運動が弱まることも考えられます。そのような事態を避けるためには、1日3食バランスの良い食事を取ることが大切です。

・乳酸菌と食物繊維を摂取する
乳酸菌には腸内の善玉菌を増やし、腸のぜん動運動を促す効果が期待できます。また、食物繊維には便のかさを増すとともに、便を柔らかくする作用があります。
そのため、果物とヨーグルトなど、乳酸菌と食物繊維を合わせて摂取できるメニューがオススメです。

・適度な運動を行う
全身の血流を良くするためには、有酸素運動が有効といわれており、例えば、ウォーキングや水泳などがオススメです。また、腸に刺激を与えてぜん動運動を促す場合は、腹圧を高めるエクササイズを行うと良いでしょう。例えば腹筋や背筋などは効果が期待できるようです。

・湯船に浸かる
血行を改善するためには、湯船に浸かるのも効果的です。ゆっくりと体を温めてリラックスすることで、腸のぜん動運動を促す副交感神経の働きを促し、腸内環境を改善する効果も期待できます。

まとめ

「むくみ腸」は、冷え性や便秘などによって起こる腸内の血流障害が原因で発症することが分かりました。腸がむくむと、便秘の長期化や慢性化につながる恐れもあるようです。そのような状態に陥らないように、今回ご紹介した予防法を試してみてくださいね。