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VOL.166 【医師監修】妊娠初期は便秘でお腹がパンパンになる?原因とすぐできる対処法を解説

妊娠初期は便秘になることがあります。便秘になるとお腹の張りが気になることもあるでしょう。

そこで今回は、妊娠初期の便秘でお腹がパンパンになる原因や、今すぐ実施できる対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

妊娠初期に便秘でお腹がパンパンになる原因

妊娠初期は便秘になりやすく、お腹がパンパンに張ることがあります。主な原因としては以下があげられます。

  • ・女性ホルモンの影響
  • ・食事や水分摂取量の減少
  • ・ストレスや自律神経の乱れ

女性ホルモンの影響

妊娠中は女性ホルモンのひとつ、プロゲステロンの分泌量が増加します。プロゲステロンには腸の動きを抑制する作用があるため、便秘になりやすい傾向があります。

また、プロゲステロンは体内に水分を蓄積しようとする作用もあるため、大腸で水分が吸収され、便中の水分が減少して便が硬くなりやすいことも原因の1つです。

食事や水分摂取量の減少

妊娠初期はつわりで気分が悪く、食事量が減ることがあります。食事だけでなく水分の摂取量も減ってしまうこともあります。

食事量が減ると便の量自体も減って、便意を感じにくくなり、水分摂取量が減ることで便が硬くなり、排便しにくくなります。

また、気分の悪さで運動量が減り、お腹が空きにくくなることも、食事量や水分摂取量が減ることにつながってしまいます。

結果的に、食事や水分摂取量が減ると、便秘になりやすくなる傾向があります。

ストレスや自律神経の乱れ

妊娠初期はホルモン分泌量による体調変化でストレスが溜まりやすい傾向にあり、自律神経が乱れることがあります。

自律神経の乱れは便秘の原因の1つなので、ストレスを溜めないように自身に合った解消方法を試してみましょう。

便秘はお腹の赤ちゃんに影響がある?

便秘が胎児に直接影響を及ぼすことはないといわれています。

しかし、不快な症状がある便秘状態が続くことで、母親のストレスが溜まり、自律神経の乱れなど体調の他の部分に影響が出てくる可能性があります。

食生活や運動など、いろいろ試しても便秘症状が続く場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

妊娠初期で便秘を放置することのリスク

胎児に影響を及ぼすことはなくても、便秘は放置しないようにしましょう。

以下では便秘を放置するリスクを解説します。

ほかの症状に気づきにくくなる

便秘がひどく痛みが伴う場合、便秘による腹痛か、ほかの理由による腹痛かがわかりにくくなることがあります。

妊娠中のお腹の張りは注意が必要ですが、便秘によってお腹が張った状態になると、より深刻な状況に気づきにくくなることもあります。

そのため、便秘は早めに解消しておくようにしましょう。

痔になる可能性がある

妊娠中期以降、痔の発症率が高くなります。これは直腸周辺の血流が悪化することが原因の1つです。

妊娠初期には比較的少ないですが、便秘によって便が硬くなり、いきみによって切れ痔になる可能性もあるので、時期に関わらず痔に対する注意は必要です。

妊娠初期でもできる便秘改善方法

妊娠初期の便秘は日常生活を見直すことで改善できます。

以下では妊娠初期でも実施できる便秘改善方法を紹介するので、できることから試してみてください。

栄養バランスの良い食事を摂る

とくに食物繊維が豊富な食事を意識的に摂ることで腸内環境を整え、便のかさが増すので、便秘を解消しやすくなります。

つわりがあって食事が摂りにくい場合は、症状が軽いときに少しずつ栄養バランスを考えて食事をしてみると良いでしょう。

こまめに水分補給をする

妊娠中は血液量が増えるため、普段以上に意識して水分を摂りましょう。1日2リットルを目標に摂取するように心がけましょう。

軽い運動を行う

適度に運動することで腸に刺激を与え、血流が良くなり、腸の働きが促進されます。

ヨガなどでよく取り入れられる腹式呼吸も便秘の改善が期待できます。腹式呼吸は横隔膜を大きく動かすので腸を刺激し、排便をサポートするといわれています。

ただし、つわりがある場合は無理に運動をする必要はありません。

ストレスを溜め込まないようにする

ストレスが溜まると自律神経の乱れなどから便秘につながることがあります。

リラックスできる時間を設ける、しっかりと睡眠時間を確保するなど、自身に合ったストレス解消法を見つけておくことが大切です。

妊娠初期の便秘で悩む方は酸化マグネシウム便秘薬も検討しよう

便秘薬にはいくつか種類があります。

妊娠中でも服用できるものがあり、例えば酸化マグネシウムの便秘薬が病院で処方されることがあります。

市販薬もありますが、はじめて服用される方、ほかの薬を服用している方は医師、または薬剤師に相談するようにしましょう。

なお、健栄製薬の「酸化マグネシウムE便秘薬」は、オンラインショップで購入可能です。妊娠初期で体調が優れず、薬局やドラッグストアへ足を運ぶことが難しい方は、オンラインショップでの購入も検討してみてください。

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妊娠初期に便秘でお腹がパンパンになる原因はさまざまある

妊娠初期は便秘になることがあり、それに伴いお腹の張りが気になることがあります。

お腹の張りは便秘以外の可能性もあるため、気になる場合は放置せず早めに医療機関を受診しましょう。

高山医師よりコメント
妊娠は体に大きな変化をもたらし、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。ご自身だけで抱え込まず、ご家族や周りの方、通院中の産科の医療スタッフなどを頼りましょう。安全に使用できる薬もありますので、是非ご相談ください。
監修者

医師:高山 哲朗
かなまち慈優クリニック 理事長
平成14年慶應義塾大学卒業、慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、平成29年 かなまち慈優クリニック院長。医学博士。日本内科学会総合内科専門医。日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。日本医師会認定産業医。東海大学医学部客員准教授。予測医学研究所所長。