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VOL.16 妊娠中は便秘になりやすい⁉ 妊婦の方が気になる原因と解消法を知ろう!

妊娠は女性の体調に大きな変化を与えるだけでなく、食生活や生活習慣にも様々な影響をもたらします。そのため、妊娠中に便秘に悩む女性は少なくありません。便秘の症状が長く続くと、自身の体がしんどいだけでなく、「胎児に影響があるのでは……」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、妊婦の方が気になる、妊娠中に起こる便秘の原因や胎児に与える影響、便秘になってしまった時の解消法などについて紹介します。

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妊娠中に起こる便秘の原因

・妊娠中はなぜ便秘になりやすい?
妊娠中の便秘は、次のような理由で起こります。
●黄体ホルモンの分泌
妊娠中には、卵巣内の黄体という場所でつくられる黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加します。このホルモンは、胎盤の形成などを促す働きがあると同時に、消化管の収縮を抑える作用も持っているため、腸の動きが鈍る要因となります。
さらに、黄体ホルモンは、胎児の成長に合わせて子宮が大きくなれるように、子宮周辺にある消化器の筋肉を緩める働きも持っています。この働きが大腸を動かす大腸平滑筋まで弛緩させてしまい、その結果排便のためのぜん動運動を弱らせる恐れがあります。

●つわりによる水分や食物繊維の摂取の減少
“つわり”が原因で食事量が減ると、作られる便の量も減ってしまうので、便意を感じにくくなり、便秘グセがついてしまう恐れがあります。
また、食べたものを吐いてしまったり、食べられるものだけを偏って摂取したりする人の場合は、食物繊維や水分が不足して腸の動きが鈍るため、便が硬くなり、便秘を引き起こすと考えられます。

●妊娠に伴う運動量の減少
妊娠するとつわりで気分が悪くなったり、大きくなったお腹が負担になったりして、運動量が減ってしまいがちです。このような運動不足は、大腸の動きを低下させるため、便秘の原因になると考えられます。

・便秘によって胎児への影響はある?
便秘が長く続くと赤ちゃんを圧迫したり、何か悪いものが溜まったりして、発達に影響を与えるのではないかと心配する人がいるかもしれませんが、便秘自体が胎児の成長に悪影響を及ぼすことはないと考えられています。
しかし、便秘が続くと母体は苦しくなり、ストレスを感じてしまいます。また、腸にガスが溜まってしまうと、子宮の収縮によるお腹の張りとの区別がつきにくくなる恐れもあるので、早めに解消した方が良いでしょう。便秘が重症化すると、切迫流産を引き起こす原因にもなるので、放置しないことが大切です。

妊娠中の便秘を解消する方法とは

もしも、妊娠中に便秘になってしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、おすすめの解消法を3つ紹介します。

●こまめな水分補給
水分補給は、便秘対策の基本です。夏は1日に1.5ℓ、冬は1ℓ程度の水分を摂るように心がけましょう。特に、起床時に水分を摂取すると、腸を刺激して便意を促す効果が期待できるので、毎朝コップ1杯程度の水を飲む習慣をつけると良いでしょう。

●食生活を見直す
腸の動きをよくするためには、水分と一緒に食物繊維を摂ることが大切。食物繊維には便のカサを増やして腸壁を刺激し、腸のぜん動運動を促す効果があります。
食物繊維を多く含む食材は、葉物野菜や根菜、果物、海藻、キノコなど。ただし、海藻類には、妊娠中に過剰摂取するとよくないと言われる“ヨード”が含まれるので、食べ過ぎには注意が必要です。また、果物も糖分を摂りすぎてしまう恐れがあるので、適度な摂取に留めるようにしましょう。

●適度な運動
妊娠中の過度な運動は危険ですが、ゆっくりとしたウォーキングやストレッチなど、軽めの運動でも腸のぜん動運動を促す効果が期待できます。
しかし、お腹が大きくなってくると、重心の変化によって体への負担が増え、腰痛を起こしてしまったり、お腹の張りが出やすくなったりする人もいます。そういった人は無理をせず、医師と相談しながら適度な運動を行うようにしてください。

妊娠中に便秘薬を服用しても大丈夫?

●自己判断で市販薬を飲むのは危険
つわりが原因で思うような食生活の改善ができない時や、解消法を試しても期待していた効果が得られなかった時には、薬を飲んで早くスッキリしたいところです。しかし、妊娠中に自己判断で市販薬を服用するのは避けてください。市販薬には、便の水分を増やして便を柔らかくする酸化マグネシウムなどの「塩類下剤」だけでなく、腸を刺激して排便を促すセンナなどの「刺激性下剤」も存在します。腸に刺激を与える下剤は、子宮の収縮も誘発してしまう可能性があるので、容量を間違うと切迫流産などを起こす恐れがあります。

●薬を服用する時期によっては、胎児に大きな影響を与えることも……
妊娠4週から16週あたりは、胎児の主な臓器や体の形が出来上がる時期です。この時期に不適切な薬を摂取してしまうと、胎児の形態異常を引き起こしてしまう可能性があります。中でも妊娠4週から7週の「器官形成期」は、特に薬による異常が起こりやすいので注意しましょう。

●まずはかかりつけ医に早めの相談行うこと
便秘の症状を自覚したら、自分で薬を選ぶのではなく、まずかかりつけの産婦人科で医師に相談することが大切です。医師から服用許可が出た薬を、容量を守って飲むようにしてください。

まとめ

妊娠中に起こる便秘には、通常の便秘とは異なるつらさや注意点があることが分かりました。便秘の症状を長く放置しておくと、自身の体調が悪くなるだけでなく、切迫流産などで胎児の命を危険にさらす恐れも考えられます。「便秘かな」と思ったら、自分でできる解消法を試すとともに、医師へも早めに相談するようにしましょう。


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