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VOL.132 冬は便秘になりやすい?原因・改善方法とおすすめの食品を紹介

冬になり気温が低くなると体調を崩しやすくなりますが、便通も例外ではありません。冬の時期というのは便通トラブルに見舞われることも多く、その要因はほかの季節とは少し異なります。

今回は、冬に便秘が起こりやすい原因と改善方法を解説するとともに、冬に旬をむかえる食材のなかから便秘改善が期待できるものを紹介します。

冬に便秘になりやすい原因

冬になると便通が悪いと感じる方も多いかもしれません。冬に便秘に陥りやすい主な原因は以下の5つです。

  • ・水分の摂取量が減る
  • ・自律神経が乱れやすい
  • ・寒くて便意を我慢してしまうことがある
  • ・腹部が冷えやすい
  • ・年末年始は生活パターンが崩れやすい

この主な原因について、詳しく解説します。

水分の摂取量が減る

冬は夏に比べて気温が低いため、喉の渇きを感じにくくなります。また、感染対策などでマスクをしている方も多く、口や鼻のなかが乾燥していると感じにくくなる傾向にあります。

しかし、冬は空気が乾燥しがちです。外気もそうですが、室内も暖房器具を使用することで空気中の水蒸気量が減って乾燥しやすいので、知らず知らずのうちに体から水分が奪われて、“かくれ脱水”に陥ってしまうことがあります。

また、冷たい水分を摂ることで体が冷えるのを警戒し、水分摂取量が減るのも乾燥の要因になります。

体が脱水状態になると腸からの水分吸収も亢進してしまうため、便中の水分量が減って硬便になり、便秘になりやすくなります。

自律神経が乱れやすい

排便を促す大腸のぜん動運動には、自律神経が深く関わっていると考えられています。そのため、自律神経が乱れると便通リズムが乱れ、便秘に陥りやすくなります。

運動をして体を動かすことで自律神経が整いやすくなりますが、冬は寒いため、体を動かすのが億劫になりやすいです。

また、冬は外気と暖房の効いた部屋との寒暖差が大きくなりやすく、通学や通勤の際や、外回りの仕事が多い方は自律神経が乱れやすくなります。

寒くて便意を我慢してしまうことがある

便意の我慢を繰り返しているとセンサーが鈍り、直腸まで便がおりて来ていても便意を感じにくくなります。

また、空調の行き届かない寒いトイレや、外出時に外のトイレに行くことが億劫になり、便意があっても後回しにしてしまうことがあるかもしれません。

便意の我慢を繰り返していると便秘になり、症状が悪化してしまう可能性があります。

腹部が冷えやすい

冬は体が冷えやすい季節です。とくに腹部が冷えてしまうと、腸の動きが悪くなってしまう可能性があります。

体に冷えを感じていなくても、下腹部を触ってひんやりする場合は内臓が冷えていると考えましょう。腹部の冷えは、便秘だけでなく、下痢や疲れ、だるさの原因にもなります。

年末年始は生活パターンが崩れやすい

冬の時期はクリスマスや年末年始、受験シーズンなどで特別なイベントも多く、生活パターンが崩れやすくなります。

社会人の方は忘年会や新年会などでついつい食べすぎたり、お酒を飲みすぎたりしてしまうこともあるでしょう。学生さんは年末年始が休日であることから、普段よりも夜更かししたり、朝遅くまで寝たりしてしまうことも考えられます。

日常生活のパターンが変わりやすい時期は、生活習慣の乱れによって便秘になりやすいと考えられています。

便秘を改善する方法

冬の便秘を改善するには、以下の方法がおすすめです。

ご自身ができることから実践してみましょう。

便秘の解消につながる食事を摂る

便秘を解消するには、食生活を見直すことが肝心です。食物繊維や発酵食品、乳酸菌を多く含む食品などが便秘の解消につながると考えられています。

冬はとくに体を冷やさないよう、温かい食事を摂るのがおすすめです。例えば、豆乳鍋やキムチ鍋などであれば体も温まり、便秘解消につながる食材も効果的に摂取しやすいでしょう。

水分をこまめに摂る

水分不足は便秘の原因になるため、水分をこまめに摂取しましょう。1日に摂取する理想の量は2リットルです。

ただし、一度に多くの水分を摂取しても胃や小腸で吸収され、そのほとんどは尿として排泄されてしまうため、便秘解消にはあまり効果的ではありません。冬はのどの渇きを感じにくいかもしれませんが、こまめに水分補給をしましょう。

カフェインやアルコールが含まれた飲み物では利尿作用があるので、水や白湯、麦茶などで水分補給をすると良いでしょう。冬は体を温めるためにも温かい飲み物を摂るのがおすすめです。

軽い運動の習慣をつける

運動不足は便秘の原因になるため、運動の習慣をつけるのがおすすめ。

普段運動していない方は、運動というとハードルが高いかもしれませんが、軽いウォーキングだけでも良いです。

運動をすることで血流が促され、体も温まります。防寒対策をして1駅分歩いてみる、車移動を自転車に変えてみるなど、できることから始めてみましょう。

腸を温めて腸内環境を良くする

冬は腸を冷やさないようにすることが大切です。主な対策としては以下の方法がおすすめです。

  • ・起床後に白湯を飲む
  • ・朝食をきちんと食べて血流を促し、体温を上げる
  • ・体温を上げやすい食べ物を食べる
  • ・入浴時は湯船にゆっくり浸かる
  • ・腹巻きやカイロを利用する
  • ・運動をして体温をあげる

このようにさまざまな方法があるので、できることから始めてみましょう。

酸化マグネシウムの便秘薬を試す

なかなか便秘が改善しない場合は、市販の便秘薬を試してみるのも良いでしょう。

酸化マグネシウムの便秘薬は、腸管内に水分を引き寄せる作用があるため、硬い便を柔らかくしてくれます。また、習慣性が低く、高齢者や妊婦、小児の場合は5歳以上から服用できるお薬です。

ただし、市販薬だけに頼らず、生活習慣の見直しや腸を冷やさないことを第一に心がけることが大切です。それに並行して市販薬を利用するようにしましょう。

はじめて酸化マグネシウム便秘薬を服用する方は、医師、薬剤師、登録販売者に相談するようにしてください。

体を温めて便秘対策ができる食材

便秘対策できる食べ物はさまざまありますが、冬は体を温める食材に注目してみましょう。以下では冬の便秘対策におすすめの食材を紹介します。

しょうが

しょうがは9月から10月に収穫を迎える冬の食材です。しょうがには50種類以上の香油成分、200種類以上の辛味成分が含まれており、食べると体が温まる効果が期待できます。

なぜなら、しょうがには辛味成分のジンゲロール、ショウガオールが含まれており、その成分が血行促進、発汗作用を高める役割があるためです。

しょうがを擦ってスープに入れたり、温かいしょうがドリンクにしたりして摂取するのがおすすめです。

かぼちゃ

かぼちゃは冬が旬の野菜で、食物繊維(不溶性食物繊維)が豊富に含まれています。

不溶性食物繊維は、便のかさを増やして腸管を刺激することで、大腸の運動を活性化させて便通改善につながる効果が期待できます。

かぼちゃの煮つけのほか、スープに入れて食べるのがおすすめです。

ごぼう

ごぼうは秋から冬が旬の野菜です。野菜のなかでもとくに多くの食物繊維が含まれているため、便秘解消におすすめの食材です。

また、カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄分、ポリフェノールなど、さまざまな栄養素が含まれています。

ごぼうはきんぴらごぼうが代表的な料理ですが、豚汁や鍋料理に入れるのもおすすめです。

きのこ

きのこ類はスーパーでいつでも買うことができる食材ですが、自生のきのこは秋頃に旬をむかえます。

きのこには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランス良く含まれているため、便秘解消にはおすすめの食材です。さらに、低脂質・低カロリーなのでダイエット志向の方にも向いています。

調理方法はさまざまありますが、冬であれば鍋料理やうどん、炊き込みご飯にするのもおすすめです。

納豆

納豆もスーパーでいつでも買える食材ですが、材料となる大豆は10月から11月が収穫時期です。そこから水分を飛ばし、冬に加工された納豆が旬だといわれています。

納豆つくりに欠かせない納豆菌は善玉菌です。食べると大腸のなかで善玉菌が増えて悪玉菌が減るので、腸の調子が整い、便秘改善の効果が期待できます。

善玉菌が好む水溶性食物繊維が入った、のり、めかぶなどを納豆と一緒に摂るのがおすすめです。

冬の便秘を解消するために腸を温めて食事改善と運動に取り組もう

冬は便秘になりやすい傾向にあります。便秘対策として、食物繊維や水分を積極的に摂るようにしましょう。また、運動や、腸を冷やさない対策もしましょう。

冬の便秘を改善するためのおすすめの食材は、しょうが・かぼちゃ・ごぼう・きのこ・納豆などです。温かい食事の具材として、あるいは一品として摂ってみましょう。

便秘をスムーズに解消したい方は、上記の便秘対策に加えて、酸化マグネシウムの便秘薬を試すと良いでしょう。服用する際は、用法用量を守って服用してください。

それでも便秘がなかなか改善せず、悩んでいる方は医療機関を受診しましょう。