VOL.131 便秘の原因は腸内環境?腸の中を整えるメリットや排便を促す生活習慣を紹介
便秘はさまざまな要因で起こる症状ですが、腸内環境の悪化も原因の1つとして考えられます。腸内環境の悪化は便秘だけではなく、体にあらゆる影響を与える可能性があるため、きちんと整えておくことが大切です。
今回は「腸内環境の悪化と便秘の関係」について詳しく解説します。便秘の改善には欠かせない「生活習慣の見直し方法」も紹介するので、便秘に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
腸内環境が悪いと便秘になる?
便秘は腸内環境が乱れているサインの1つです。反対に、便秘が腸内環境を悪化させる原因となっている場合もあるので、「便秘と腸内環境は深く関わりがある」ということを覚えておきましょう。
腸内には善玉菌、悪玉菌、そのどちらにも該当しない中間の菌が存在しています。通常、腸内では中間の菌の数が最も多く、次いで善玉菌が多くなっており、悪玉菌は少量です。
しかし、何らかの原因で腸内の悪玉菌が増えると便秘や下痢といった便通異常が起こります。腸内で最も多く存在する中間の菌は、善玉菌と悪玉菌のどちらか優位な菌の味方をするため、腸内環境を整えるためには善玉菌を優位にする必要があります。
必ずしも腸内環境の乱れが便秘の原因とは限りませんが、体調を整えるためにも腸内の善玉菌を増やす努力をしましょう。
腸内環境が悪いときのサイン
腸内環境が悪いときに見られるサインを3つ紹介します。ただし、以下の症状は腸内環境の乱れを正確に見極めるものではないので、1つの目安として参考にしてください。
便が黒っぽい
黒っぽい色の便が出る場合は、腸内環境が悪化している可能性があります。腸内環境が整っている正常の便は、黄色から黄色がかった褐色の便が通常の便です。いつもよりも便の色が黒っぽいと感じたら、腸内環境の乱れを疑ってみましょう。
ただし、疾患や食べ物の色によって便が黒くなることもあります。とくに便の色が変わるような食事を摂っていないのであれば、腸内環境が乱れているのかもしれません。判断に迷う方や気になる症状がある方は医療機関を受診してください。
悪臭がする
便やおならが悪臭を放っている場合は、腸内細菌のバランスが乱れているサインの1つです。いつもよりも便やおならに強いにおいを感じるようであれば、腸内環境が悪くなっているかもしれません。
悪臭の原因は悪玉菌です。腸内で悪玉菌が優位になると食べカスを腐敗させ、便秘により老廃物が腸に溜ったままになると有害物質が生成され、悪臭の原因になります。
必ずしも悪臭が腸内環境の悪化を示しているとは断定できませんが、腸内細菌のバランスが乱れを示す指標の1つにしてください。
便秘や下痢を繰り返している
便秘や下痢の症状があるときは、なんらかの原因で腸内環境が乱れている状態です。腸内環境が悪くなる要因は以下のような生活習慣が考えられます。
- ・不規則な生活
- ・偏った食生活
- ・ストレス
- ・運動不足 など
腸内環境は生活の仕方によって変化する傾向があるので、普段から健康的な生活を意識することが大切です。
便秘や下痢になりやすい方は、今一度生活習慣を見直してみましょう。
腸内環境を整えるメリット
腸内環境を整えると、さまざまなメリットを得られます。腸内環境を良くすることで期待できる効果を3つ紹介します。
便秘の改善
腸内環境を整えることで、便秘を改善する効果に期待ができます。便意は感じるものの、スムーズに排便できなかった方も、腸内環境を整えることで排便が楽になるかもしれません。
腸内環境を改善すると腸が活発に働くようになるため、お腹の張りも緩和する効果に期待ができます。
これまで便量が少なかった方も腸内環境が整うことで、腸内で十分な便が作られ、においの少ない便になる可能性があります。
免疫機能が高まる
腸内に善玉菌が増え、腸内環境が整うと免疫機能が高まる傾向にあります。病気やけがに強い体を作る効果のほか、血清コレステロールを低下させる効果にも期待ができます。
健康を維持したい方は、腸内環境を整えることが大切です。悪玉菌が優位な状態から善玉菌が優位な状態へと腸を導きましょう。
毎日を元気に過ごすためにも、生活習慣を見直しながら腸内環境を整え、病気やけがに強い体を目指してください。
太りにくくなる
腸内環境を整え便秘を改善することで、太りにくい体になる可能性があります。便秘が続くと腸内は悪玉菌が優位な状態です。悪玉菌が老廃物を分解した際に作り出された有害物質が血中に吸収されると血流が停滞してしまいます。
血流が停滞すると栄養が細胞に届きにくくなるため、摂取した栄養が脂肪となって蓄積してしまいます。
腸内環境を整えること自体が直接的なダイエットにつながるわけではありませんが、太りにくい健康的な体質に導く効果には期待ができます。
太りにくい体質を目指したい方は、今日からぜひ腸内環境を整えていきましょう。
腸内環境を整える方法
腸内環境を整える効果に期待ができる生活習慣を3つ紹介します。それぞれの要点をしっかりチェックし、腸の健康を高めていきましょう。
食物繊維の多い食材を積極的に摂取する
食物繊維を十分に摂取することで、腸内の善玉菌を増やす効果に期待ができます。腸内で善玉菌が優位になると便秘を解消する効果にも期待ができるので、便秘に悩んでいる方は食物繊維を意識的に摂取しましょう。
食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分けられます。不溶性食物繊維は便の量を増やして腸管を刺激するため、腸の動きを活発にする効果に期待ができます。きのこ類や根菜類に多く不溶性食物繊維が含まれているので、毎日の食事にプラスしてみましょう。
また、水溶性食物繊維は便をやわらかくして排便をスムーズにしたり、腸内の善玉菌を増やしたりする効果に期待ができます。キャベツやにんじんなどの繊維のやわらかい野菜や果物、海藻類に多く水溶性食物繊維が含まれていますので、意識的に摂取してください。
規則正しい生活を送る
不規則な生活は自律神経が乱れる要因となります。自律神経が乱れると便秘になりやすいため、便秘になれば腸内環境も悪くなる傾向にあります。
自律神経を整えるためにも、普段から規則正しい生活を送りましょう。起床時間や就寝時間を決めて生活したり、食事も一定の時間に摂ったりしながら工夫をしてください。
便意を感じたらすぐにトイレに入れるように、時間に余裕を持った生活を送るのが望ましいです。また、ストレスも自律神経を乱す要因となるため、日頃から適度にリフレッシュする時間を設けましょう。
適度に運動をする
腸内環境を整えるためには、適度に体を動かすことも大切です。運動をすることで血流が促進され、腸の動きを活発にする効果に期待ができます。
運動といってもハードな運動ではなく、無理なく継続できる運動を生活に取り入れてみると良いです。ウォーキングやヨガなど、楽しいと感じられる運動を見つけ、体を動かす習慣を身に付けましょう。
腸内環境を整えても便秘改善されない場合はどうしたら良い?
腸内環境の乱れだけが便秘の原因ではありません。便意を我慢したり腹筋の力が弱く便が排出できなかったりする場合もあります。
食生活や生活習慣を見直しても便秘が解消されない場合は、便秘薬に頼る方法も検討してみると良いでしょう。酸化マグネシウムの便秘薬は、痛みが少なくクセになりにくい特徴があります。
高齢者や妊婦、5歳以上のお子様でも服用できるので、便秘薬に不安を感じている方は酸化マグネシウムの便秘薬を試してみてください。ただし、ほかに服用している薬がある方、疾患がある方は薬剤師や医師に相談してください。また、必ず用法用量を守って服用するようにしましょう。
便秘薬だけに頼るのではなく、健康的な食生活と生活習慣を身に付けることも大切です。
食生活や生活習慣を見直して腸内環境を整えよう
腸内環境を整えることは、便秘の改善だけではなく、健康を維持するためにも大切なことです。腸内を良い状態にするためにも、普段から食物繊維の多い食事を意識したり、規則正しい生活を送ったりしながら健康を維持しましょう。
すぐにでも便秘の症状を緩和したい方は、生活習慣の改善と同時に便秘薬を試してみるのも1つの方法です。
改めて自身の生活習慣を見直し、腸内環境を整えていきましょう。