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VOL.121 便が黒い原因は?考えられる病気や改善・予防方法を紹介

便の色は通常、茶色か黄土色をしているのが健康な状態です。

体調を知るバロメーターでもある便の色がいつもと違う場合、体から何かしらのサインが出ていると考えるべきでしょう。

便が黒い場合、考えられる原因は1つではありません。腸内環境の影響による便秘のほか、重大な消化器系の疾患などの可能性もあります。今回は、黒い便が出る原因と考えられる病気、改善・予防方法について紹介します。

黒い便が出る原因とは?

便の色が黒っぽいだけでなく、排便がしづらく回数や量が減少している場合、便秘が原因の可能性があります。なお、便秘が原因の場合には真っ黒にはなりません。便秘の場合は黒に近い色で、硬くてコロコロした傾向があるのが特徴です。

便秘で黒っぽい便が出る原因は、腸内で悪玉菌が増えたことによる腸内環境の悪化だと考えられています。

なお、便の色が真っ黒な場合は、重大な疾患の可能性があるため、自己判断で放置せずに必ず医療機関を受診しましょう。

また、便秘や病気以外の原因により黒い便が出ることもあります。

黒い便が出る原因

黒い便が出た場合、食べ物や薬の影響、消化器系の疾患など、さまざまな原因が考えられます。

以下では、黒い便が出る原因を詳しく解説します。

黒いものを食べた

イカ墨や海藻類などを使った料理などの黒いものを食べた後には、黒い便が出る可能性があります。

ほかにも、肉類やチョコレートを大量に食べると濃い茶色や黒っぽい便が出る場合があるといわれています。

薬の影響

黒い便が出た場合、薬の影響も考えられます。

とくに、貧血の薬を服用している方は、黒い便が出ることがあるといわれているため、心配な方は担当の医師に相談してみてください。

消化器系の疾患

黒い便は、消化器系の疾患が原因で出る場合もあります。黒い便が出たときに考えられる疾患には、以下があげられます。

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 食道静脈瘤
  • 胃ガン
  • 食道ガン など

血液は時間が経つと酸化して黒くなるため、黒い便になります。タバコの煙に含まれるタールのように真っ黒なため、医学的には「タール便」とも呼ばれます。胃や食道、十二指腸など消化器系の上部から出血している可能性が高くなります。

また、黒い便が出たときは、胃や十二指腸などから出血し続けている可能性も考えられます。立ちくらみや息切れ、動悸などの体調の異変がある場合は、貧血になっているかもしれません。

黒い便が出た場合は、上記のような病気の可能性もあるため、必ず医療機関を受診し検査をすることが望ましいです。自己判断せずに、医療機関に相談しましょう。

自宅でできる黒い便が出る便秘への対処法

便秘で黒っぽい便が出た場合は、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化している可能性が高いです。便秘を解消するためには、腸内環境を整えていくことが大切です。

腸内環境を良くするためには、腸内細菌のバランスを改善する必要があります。

善玉菌が増えて優勢になると腸内環境が良くなり、悪玉菌が優勢になると腸内環境が悪化しやすくなります。腸内環境を整えるためには、まず善玉菌を増やすことが大切です。

以下では、腸内環境を整えながら、便秘解消を目指す方法を紹介します。

食物繊維や乳酸菌を積極的に摂取し、食事の栄養バランスを整える

腸内環境を整えるには、善玉菌が好むものを食品から摂取するのがポイントです。

食物繊維の1種である水溶性食物繊維は、善玉菌のエサになるといわれているため、積極的に摂るようにしましょう。わかめや昆布、ひじきなどの海藻類には水溶性食物繊維が多く含まれています。

また、オリゴ糖も善玉菌のエサになります。玉ねぎやキャベツ、アスパラガスなどに含まれていますので、食事に取り入れると良いでしょう。

味噌や納豆などの発酵食品には、乳酸菌が含まれています。毎日食べると腸内で酸性化して、善玉菌を増やす効果が期待できますので、発酵食品も積極的に摂取しましょう。

反対に、悪玉菌が増えると腸内環境が悪化するため、悪玉菌が嫌がる環境をつくることも腸内環境の向上につながります。悪玉菌は精製された砂糖を好むといわれているため、砂糖を使用した食べ物を控えめにすると良いでしょう。

規則正しく食事を摂る

食事のリズムが乱れると便秘になりやすいです。1日3食、できるだけ決まった時間に食事を摂ることで、腸の働きが促されやすくなります。

また、回数だけでなく食事の量が少ないと、便の材料が不足し便秘の原因となり得るため注意が必要です。十分な量を食べるようにしましょう。

3食のうち、便秘解消のためにとくに意識したいのが朝食です。朝食を摂ると排便の習慣ができやすくなります。そのため、便秘の解消を目指すなら、毎日朝食を食べるようにしましょう。

朝食を食べると胃に刺激が与えられ、便を直腸に送り出すぜん動運動も活発になるといわれています。

「朝はあまり食欲がない」という方も、起床後にコップ1杯の水を飲んで、ヨーグルトなどの軽食を口にするだけでも良いので、実践してみてください。

また、朝食後は便意が起きやすくなるので、ゆったりとした気持ちでトイレに行く時間を設けるのも良いでしょう。

運動を習慣づける

運動不足は便秘の原因の1つです。普段から運動不足の方は、便秘解消のために運動を習慣づけると良いでしょう。

体を動かすと全身の血行が良くなり、腸の活性化も期待できます。腸の動きが活性化すると、便意を感じるようになり、排便がスムーズになる可能性もあります。

まずは1日20~30分程度で良いので、毎日ウォーキングなどの軽い運動をしてみてください。運動に慣れてきたら、少しずつ距離や時間を伸ばしてみるのも良いでしょう。

マッサージやストレッチを取り入れる

気軽にできるマッサージやストレッチを隙間時間に取り入れてみてください。腹部をご自身の手でマッサージすることで腸が刺激され、便秘解消に役立ちます。刺激により腸のぜん運動が促され、便が排出されやすくなります。

腸のある下腹部を中心にお腹に手のひらを当てながら、「の」の字を書くように時計回りにマッサージしましょう。痛みを感じない程度の力加減で、ゆっくりと滑らせるように手を動かすのがコツです。

マッサージは、仰向けになってリラックスした状態で3~5分程度行うと良いでしょう。

ストレッチで骨盤を回す動きや腰をひねるような動きを取り入れることにも、同様の効果が期待できます。

水分を積極的に摂る

水分不足になると便が硬く小さくなってしまうため、便秘になりやすくなります。一度硬くなってしまった便をやわらかくすることは難しいため、日常的に水分不足を防ぐことが大切です。

1日あたり2リットルを目安に、こまめに水分補給を行いましょう。水やカフェインレスのお茶、牛乳、スープなどを取り入れれば、無理なく摂取できます。

なお、カフェインを含む飲料(コーヒーや紅茶、緑茶など)には利尿作用があるため、水分補給には適さない点に注意が必要です。

生活リズムを整えてストレスを溜めないようにする

決まった時間に就寝、起床するなど、規則正しい生活を送ることは、便秘の予防や改善にも役立ちます。

不規則な生活リズムやストレスの蓄積は、自律神経を乱す原因になり得ます。自律神経が乱れると腸の働きが妨げられてしまうため、生活リズムを整えながらストレスを解消することも大切です。

日頃からストレスを溜めないために、自身で解消できる方法を見つけて実践すると良いでしょう。意識的に楽しめることやリラックスできることを取り入れると、ストレスが溜まりにくくなります。

なお、便秘とストレスの関係性については、以下もあわせてご覧ください。

【医師監修】便秘とストレスは関係する?リスクや改善方法を紹介

市販の便秘薬で改善される場合もある

便秘の症状をすぐにやわらげたい場合は、市販の便秘薬を服用するのも1つの方法です。

黒い便が続いたり、ほかの症状も出ていたりする場合は医療機関での受診が必要ですが、便秘のみの場合は、まずは市販薬を試してみても良いでしょう。

便秘薬にはさまざまな種類がありますが、酸化マグネシウム便秘薬はお腹が痛くなりにくくクセになりにくいという特徴があります。酸化マグネシウムには腸内の水分を増やす働きがあるため、便をやわらかくするのに役立ちます。

初めて服用する場合やほかに服用している薬がある場合は、医師または薬剤師に相談してから購入することが望ましいです。用法用量も必ず守りましょう。

なお、健栄製薬の「酸化マグネシウムE便秘薬」は、オンラインショップでも購入可能です。便秘にお悩みの方は、ぜひ検討してみてください。

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黒い便が出たら必ず重大な疾患の可能性を考えて適切な対応を

黒い便が出るのにはさまざまな原因が考えられます。食べたものや服用した薬が原因の場合は一過性のことがほとんどですが、重大な疾患の可能性があるため、必ず医療機関で相談しましょう。

便の色が黒っぽい程度で便秘に悩んでいる場合、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化している可能性があります。食事内容を見直し、食物繊維やオリゴ糖など善玉菌が好むものを積極的に摂取して、腸内環境を整えていきましょう。

また、食事の回数や量の見直しやこまめな水分補給、適度な運動、生活習慣を整えストレスを溜めないことも日頃から意識し、継続して実践することが便秘の改善や予防に役立ちます。必要に応じて、便秘薬を試すのも良いでしょう。