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VOL.119 女子に便秘が多いのはなぜ?要因を見つけてスムーズな排便習慣を身に付けよう

便秘は老若男女問わず誰にでも起こり得る症状です。しかし、女性のほうが便秘になりやすい傾向にあります。

今回は「女性ならではの便秘の原因」や「便秘を放置するリスク」について詳しく解説します。便秘改善に期待できる生活習慣も紹介しますので、便秘に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

男子よりも女子が便秘になる割合が多い理由

男性よりも女性のほうが便秘に悩む方が多い傾向にあります。なぜ女性が便秘になりやすいのか、考えられる原因を4つ紹介します。

女子ならではのホルモンバランスの変化

女性は生理があるため、月経周期によってホルモンバランスが乱れることがあります。ホルモンバランスの乱れは便秘の要因の1つです。

女性の場合、生理前になると女性の体の中で、黄体ホルモンや卵胞ホルモンが分泌されます。黄体ホルモンは腸の動きを鈍くする傾向があるため、排卵後から生理にかけて便秘になる方が多いです。

また、黄体ホルモンの分泌により、便に含まれている水分が腸壁から吸収されてしまうため、便が硬くなりスムーズに排便できなくなります。

人によっては、生理が終わり黄体ホルモンの分泌が減少すると下痢になる方もいるので、女性の排便は生理に影響される傾向があります。

妊娠や出産による便秘

妊娠中も黄体ホルモンが多く分泌されるため、便秘になりやすいです。出産後も骨盤底筋の衰えや母乳育児による水分不足、自律神経の乱れが起こりやすく、便秘になる場合があります。

出産後は約6~8週間は腸の動きが鈍くなる傾向にあるため、便秘になりやすい時期と言われています。

妊娠や出産は体力が消耗されるので、しっかりと体を休めて体力をつけ、健康的な食生活を心がけながら便秘改善を目指していきましょう。

腹圧の弱さ

女性は男性よりも腹筋の力が弱い方が多いです。筋力が弱いと排便時に上手く腹圧がかけられず、便を排出できずに便秘になる場合があります。

筋力の低下は腸のぜん動運動そのものも鈍くなるため、運動不足は便秘の要因となります。高齢になるとさらに筋力が衰えていく傾向にあるので、便秘の改善のためにも普段から体を動かしたり筋肉を鍛えたりしながら健康な体を作っていきましょう。

過度なダイエット

ダイエットを理由に食事の摂取量を減らしたり、栄養が偏ったりすると便秘を引き起こす場合があります。

食事の量が減ると作られる便の量も少なくなるため、腸への刺激が弱まり、腸のぜん動運動が弱まってしまいます。スムーズな排便を目指すためにも、過度な食事制限は控えましょう。

食物繊維の不足も便秘の要因です。食物繊維は便量を増やしたり便をやわらかくして排便をスムーズにしたりする効果に期待ができる栄養素です。

ダイエット中も充分な食物繊維を摂取するために、この機会に食事内容を見直してみましょう。

便秘を放置することのリスク

便秘が気になりつつも、時間が経てば便が排出されると考え、そのまま症状を放置している方も少なくありません。しかし、あまり放置していると健康に影響を与えるリスクがあるので注意しましょう。

便秘を放置することで起こり得るリスクを2つ紹介します。

腸内で腐敗菌が増加する

便秘を放置すると腸内で悪玉菌や腐敗菌が増加し、便やおならのにおいが強くなります。腐敗菌の増加は肌荒れや口臭、不眠や高血圧の原因にもなるので、便秘を放置するのは良くありません。

悪玉菌は動物性の脂やタンパク質をもとに腐敗臭を出しているので、普段から肉食中心の食事が多い方は食生活の見直しが大切です。

健康はもちろん、美容の観点からも便秘を放置するデメリットが大きいので、便秘の症状が現れたらなるべく早く対処しましょう。

便秘による合併症

便秘を放置していると、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。痔や直腸の一部が肛門から出る直腸脱(脱腸)、肛門が避ける裂肛など、痛みや不快感が伴う合併症になる場合があります。

さらに、便秘は大腸がんをはじめとする消化器疾患のリスクを高めるとも言われているので、健康を維持するためにも便秘予防に努めましょう。

便秘が必ずしも合併症や消化器疾患につながるわけではありません。あくまでもリスクの1つとして、頭の片隅に入れておきましょう。

便秘解消を目指す方法

便秘解消効果に期待ができる、生活習慣の見直し方法を紹介します。便秘に悩んでいる方は、以下4つのポイントを参考に便秘改善を目指していきましょう。

食生活の見直し

ダイエット中の方も含め、普段からきちんと栄養バランスの整った食生活を心がけてください。食物繊維は便秘解消効果に期待ができる栄養素なので、普段の食事に積極的に取り入れていきましょう。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つに分類されます。水溶性食物繊維は便をやわらかくしたり、善玉菌を増やしたりする効果に期待ができ、不溶性食物繊維は便量を増やして腸のぜん動運動を促す効果に期待ができます。 どちらも便秘解消に必要な食物繊維なので、以下の食材を参考にバランス良く摂取しましょう。

水溶性食物繊維海藻類、やまいも、オクラなど
不溶性食物繊維玄米、大豆類、ごぼう、きのこ類など

腸内環境を整える乳酸菌や発酵食品も積極的に摂取すると良いです。ヨーグルトやチーズ、味噌やキムチ、納豆、酢も食事に取り入れてみると良いでしょう。

生活習慣の見直し

不規則な生活を送っている方は、規則正しい生活を心がけることが大切です。毎日十分な睡眠を取り、ストレスの少ない生活を意識しましょう。

睡眠不足やストレスは自律神経の乱れにつながる可能性があります。自律神経が乱れると便意異常を起こす場合があるので、心身の健康に努めましょう。

運動習慣を身に付ける

運動は便秘の要因となるため、運動する習慣を身に付けることも大切です。負荷の重いハードな運動を行うのではなく、無理なく続けられる運動を見つけましょう。

全身運動は自律神経を整えたり、腸の動きを活発にしたりする効果に期待ができます。ヨガや水泳、ウォーキングやランニングなど、自身が楽しく続けられる全身運動を探してみましょう。

排便時にきちんと腹圧がかけられるように、全身運動を合わせて腹筋も鍛えましょう。腹筋運動は腹部の血行を促進する効果にも期待ができます。

便意を感じたらすぐにトイレに行く

便意を我慢するクセが付いている方は、便意を感じたらすぐにトイレに行く習慣を身に付けると良いです。便意の我慢が続くと直腸や結腸の反射が鈍くなり、便意を感じにくくなってしまいます。

忙しくてトイレにこもる時間が少ない方も、便意の有無に関わらずゆっくりトイレに入る時間を作りましょう。排便リズムを整えるためにも、便意を感じたらすぐにトイレに行くようにしてください。

女子は便秘になりやすいからこそ、日々の生活を整えよう

女性は男性よりも便秘になりやすい要因が多いです。便秘は体にあらゆる影響を与えるので、普段からしっかり予防していきましょう。 生活習慣の見直しや食生活の改善を行いながら、便秘の要因を1つずつ解消していくことが大切です。睡眠不足やストレスも便秘の要因となるため、規則正しい生活を心がけながら適度にリフレッシュしてください。