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VOL.104 さつまいもは便秘改善効果がある?注意点や食品以外での解消方法も紹介

さつまいも

いつも残便感があったり、便が硬くなったりと、すっきりしない便秘で悩む方は多いかもしれません。

便秘を改善するには食事内容を工夫することが大切です。とくに食物繊維は便秘の際は積極的に摂ると良いとされています。今回は食物繊維が多く含まれている「さつまいも」を取り上げ、便秘改善効果について解説していきます。

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便秘の種類

日本では古くから便秘を、「器質性便秘」と「機能性便秘」に分類してきました。

器質性便秘大腸の形態的変化があり、物理的に糞便の通過が妨げられる。
機能性便秘大腸の形態的変化はなく、大腸の運動や排便機能の低下などが原因で排便回数や排便量が減少する。

「器質性便秘」は大腸そのものに問題があるため、食べ物で排便を促すのが難しいタイプの便秘です。

一方で、「機能性便秘」は大腸の形には問題がなく、食生活を見直すことで便秘が改善される場合があるタイプの便秘です。

現在では日本も国際的な分類に従って便秘を考えるようになり、専門家は症状や病態によって分類しています。

症状による分類では、排便回数や排便量が減少するタイプ(排便回数減少型)と、糞便を十分量かつ快適に排泄できずに残便感を訴えるタイプ(排便困難型)に大別されています。これは便秘で悩む方が自覚する症状に近い分類ですので、専門家でなくても理解しやすい分類かと思います。

そして、医療機関での専門的な検査により病態で分類するのが、腸管内容物が大腸内を移動する能力が正常なタイプ(大腸通過正常型)とそれが遅延するタイプ(大腸通過遅延型)、便排出そのものが障害されたタイプ(便排出障害)ですが、皆さんにとってはほとんど馴染みのない分類かもしれません。

さつまいもは便秘改善効果がある?

さつまいもには機能性便秘の改善効果が期待できる「食物繊維」が豊富に含まれています。食物繊維は人間の消化酵素では分解されずに腸に運ばれるものです。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つがあります。

「水溶性食物繊維」は水に溶けて糖質の吸収をおだやかにしたり、コレステロールや胆汁酸の体外への排出を助けたりする役割があります。また、大腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれます。

一方で「不溶性食物繊維」は腸内で水分を保持してカサが増えることで、腸が刺激され、ぜん動運動が促されることが期待されます。

さつまいもは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がどちらも含まれている食材です。その割合は不溶性食物繊維のほうが多く、日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、皮つきの蒸したさつまいも100gには、水溶性食物繊維が1.0g、不溶性食物繊維が2.8g含まれています。

不溶性食物繊維はそれ自体が腸で吸収されずに大腸に届くため、さつまいもを摂取することで便の量が増えます。

また、腸内の水分で膨らむ性質もあり、それによって腸が刺激されるため、さつまいもを食事にプラスすることで便秘の改善効果が期待できます。

さつまいもで便秘改善を目指すときの注意点

さつまいもを食べる女性

便秘改善効果があるからといって、さつまいもばかりを食べても便秘が改善されるとは限りません。

さつまいもの摂りすぎは便を硬くすることもあります。食物繊維の摂取によって便のカサが増えても、それを排泄できないために、便秘が悪化してしまう可能性があるためです。

便秘改善には、食物繊維(水溶性のものと不溶性のもののバランスも含む)をはじめ、ほかの栄養素もバランス良く摂取するように心がけましょう。

食品以外での便秘の解消方法

さつまいもなどの食べ物だけに頼らず、普段の生活習慣を見直しながら便秘改善を目指すことが何より大切です。

ここでは便秘改善効果が期待できるポイントを3つ紹介します。

水分をこまめにとる

便の主成分は水分です。糞便の60~80%は水分で構成され、残りは腸の細胞の死骸、腸内細菌の死骸、食べ物のカスです。

そのため、便の硬さ・柔らかさというのは便の水分の割合が重要です。水分量が増えれば便は柔らかくなり、水分量が不足すれば便は硬くなります。

体が脱水状態にならないように、普段から水分補給をこまめ(・・・)に行うようにしましょう。大人1日に必要となる水分摂取量は2リットルが目安です。

規則正しい生活

1日のなかでもある程度決まった時間帯に排便があると安心です。不規則な便意というのは、排便できない状況下だと、排便行為を我慢せざるを得なくなります。

便意は我慢すると消失してしまいます。それを繰り返していると便意そのものを感じにくくなっていき、便秘に陥りやすくなります。

そうならないためには、リラックスして排便できる時間帯を体に覚えさせておきましょう。この排便リズムを整えるためには、生活リズムを整えることが大切です。

規則正しい生活を心がけ、毎日の排便リズムを整えるようにしましょう。

適度な運動

体を動かすことで排便を促す大腸のぜん動運動が活発になります。また、適度な運動をすることで自律神経も整えられます。自律神経が整うことで排便リズムも整いやすくなります。

運動不足の方はこの機会に運動習慣を身につけると良いでしょう。

さつまいもを適度に摂取して便秘を改善しよう

さつまいもには食物繊維が豊富に含まれています。そのため、機能性便秘で悩んでいる方は、積極的にさつまいもを摂取すると便秘が改善されるかもしれません。

また、便秘がなかなか改善されない方は、市販の便秘薬を試す方法もあります。便秘薬はさまざまな種類がありますが、お腹の痛みが少なく、クセになりにくい酸化マグネシウムの便秘薬を試してみると良いでしょう。

今回ご紹介した改善方法を試しても便秘が改善されない場合は、医療機関に相談するようにしてください。

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