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VOL.103 便秘薬を飲みすぎるとどんなリスクがある?便秘薬の種類や副作用について解説

医療機関だけでなく、ドラッグストアやコンビニなどでも手軽に購入することができる便秘薬。

便秘薬は身近な存在でありながら、使われている成分によっては習慣性がつきやすいものや、腸を直接するものなどさまざまな種類があります。

とくに、腸を刺激するタイプの便秘薬は腸が刺激に慣れてしてしまうと、薬を飲んでもなかなか便が出ないようになってしまう可能性があります。

そこで、今回は便秘薬の種類から飲みすぎることで起きる可能性がある副作用反応やリスクについて解説していきます。便秘になりにくい体を目指す方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

便秘薬の種類

便秘薬には、さまざまな種類が存在し、医療機関では年齢や体質、便秘の種類や原因に合わせて処方されています。便秘薬に配合されている成分によっては、作用の仕方や習慣性のつきやすさ、使ってはいけない方の特徴なども異なります。

そこで、ここでは現在主流となっていて、便秘薬としても市販されている「機械性下剤」と「刺激性下剤」をご紹介していきます。

機械性下剤

「機械性下剤」とは、便に水分を与えカサを増したり柔らかくしたりすることで、排便が行われやすい状態にする便秘薬をさします。

機械性下剤には、「塩類下剤」「膨張性下剤」「糖類下剤」などがあり、それぞれ配合されている成分が異なります。

「塩類下剤」はマグネシウムを主成分とし、日本では古くから使われている便秘薬です。習慣性がつきにくく長期間服用しても効果が感じにくくなることが少ないといわれています。

ただし、高齢者や腎臓疾患を患っている方は、服用方法を守らずに飲みすぎると高マグネシウム血症になる恐れがあるため、注意が必要です。

「膨脹性下剤」は、その名の通り便の量を増やして排便を促す便秘薬です。薬そのものが水分を吸収して、便のカサを増やすので、自然に近い排便になるのが特徴です。

「糖類下剤」は含まれる成分が異なりますが、膨脹性下剤と同じように便を膨らませて排便を促します。マグネシウムを含まないので、高齢者だけでなく、子どもでも服用可能とされています。

刺激性下剤

「刺激性下剤」は、直接腸を刺激することで蠕動(ぜんどう)運動を高め排便を促す便秘薬です。機械性下剤よりも便秘薬としての効果が得られやすいため、腸の動き自体が低下することにより起きる「弛緩性便秘」の方に用いられることが多いです。

便秘薬としての効果は高いものの、習慣性がつきやすい傾向があり、長期間服用すると効果を感じられなくなることがあるといわれています。

刺激性下剤は大腸を刺激するタイプが多いですが、直腸に便が溜まっている場合は坐薬が用いられることもあります。

便秘薬の飲みすぎで副作用が起きる可能性は?

便秘薬のなかには、習慣性がつきやすく飲み続けていると効果を感じにくくなることがあり、実際決められた用量以上に飲んでしまったという例も少なくありません。

しかし、便秘薬は用法用量を守って服用しないことで、かえって便秘を悪化させる可能性があります。便秘薬を飲んでも排便がなく、心配で飲みすぎてしまうと、便秘を悪化させるだけでなく腹痛や頑固な便秘、下痢などの症状が出ることもあります。

便秘薬を飲んで副作用が出ているかもしれないと感じる方、便秘薬を用法用量通りに飲んでも便秘が改善しないと感じる方は医療機関を受診するようにしてください。

便秘薬は飲み続けても効果が得られなくなる?

飲んでいる便秘薬が刺激性下剤の場合は、長期に渡って服用すると腸が刺激に慣れてしまい、効果が得られなくなります。便秘薬を服用する際は、用法用量だけでなく服用期間の目安も確認するようにしましょう。

便秘薬の副作用や習慣性がつくことが不安な方は、酸化マグネシウムを用いた便秘薬を試す方法もあります。

酸化マグネシウムを用いた便秘薬は、習慣性がつきにくく、長期間服用しても効果が得られにくくなりにくいと言われています。

ただし、酸化マグネシウムを用いた便秘薬も、上述のとおり副作用が発生する可能性もあるため、用法用量を守って服用し、すでに服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してから服用するようにしてください。

便秘薬以外で便秘解消を目指す方法

便秘薬は便秘に悩む方の頼れる味方ですが、できるものなら便秘薬を飲まなくてもお通じのある体を目指したいものです。

便秘になりにくい体を目指すための基本は食生活や生活習慣です。ここからは日常生活で取り入れられる、便秘薬以外で便秘解消を目指せる方法を紹介していきます。

こまめに水分補給をする

体の水分が不足すると、便の水分も不足して硬くなり、便秘になりやすくなります。日頃から水分を摂取していると思っていても、汗や尿として排出されています。便秘が気になる方は1日2リットルを目安に摂るようにしましょう。

水分を摂取するときのポイントは、一度に水分を補給すると尿として排出されてしまうため、こまめに補給することです。

まず起床後にコップ1杯の水を飲むようにして、食事中や食後にも水分を摂ります。食事に汁物をプラスするのも、摂取する水分が増えるのでおすすめです。

食物繊維を意識してバランスの良い食生活を心がける

便秘になりにくい体をめざすには、食物繊維をしっかり摂って、バランスの良い食事を3食摂ることが大切です。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、両方バランス良く摂ることが大切です。私たちの体で消化されない2種類の食物繊維は、そのまま腸まで届き、便のカサを増やしたり腸を刺激したりする働きをします。

食物繊維のほかにも、脂質、タンパク質、糖質も適切な量を食べるようにしましょう。しっかり3食食べることで便の量が増えると、排便が行われやすくなります。

排便のリズムを作るためにはとくに、朝食が大切です。朝は余裕を持って起床して、ゆっくり朝食を摂ってからトイレに行く時間を設けるようにしましょう。

適度な運動をする

適度な運動をすると、血行が促進され腸の動きを活発にし、排便されやすい状態につながります。日頃運動不足だと感じる方は、ウォーキングなどの軽めの有酸素運動から始めてみると良いかもしれません。

また、便を出すときに使用する腹筋を鍛える運動もおすすめです。

ストレスを発散する

自律神経の影響を受けやすい腸は、ストレスによって自律神経が乱れると便秘につながることがあります。

副交感神経が優位になったときに排便が起きやすくなりますので、有酸素運動をする、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるなどしてストレスを発散するようにしましょう。

十分睡眠し、生活のリズムを整える

便秘になりにくい体を目指すには、生活のリズムを整えて、排便リズムも整えていくことも大切です。

規則正しい生活リズムを心がけることで、自律神経も整う傾向にあるため、なるべく毎日同じ時間帯に食事を摂り、同じ時間帯に就寝し、十分に睡眠時間を設けるようにしてください。

また、起床時に太陽の光を浴びると、自律神経に良い影響を与え、睡眠の質も向上するといわれているため、ぜひ実践してみてください。

便秘薬を飲みすぎる前に医療機関へ

便秘薬を飲みすぎると、かえって便秘を悪化させたり、腹痛を起こしたりする可能性があります。便秘薬を服用するときは、必ず用法用量を守って、過剰摂取はしないようにしてください。

また、便秘薬の種類によっては、飲み続けることで便秘薬の効果を感じられなくなり、便秘が改善されない可能性もあります。これから便秘薬を初めて使うという方は、習慣化しにくい酸化マグネシウムを用いた便秘薬を試してみると良いでしょう。

便秘薬は困ったときの頼れるアイテムですが、便秘に悩まない体をつくるためには生活習慣の見直しも大切です。

どうしても便秘が改善されない場合は、医療機関を受診するようにしてください。便秘薬を服用している方は、医療機関を受診した際に便秘薬を服用していることと、その薬剤名も伝えるようにしましょう。

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