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VOL.10 便秘の人必見! 便を軟らかくする方法を紹介!

便秘で便が硬くなると、排便時に痛みを伴います。そのため、痛みを恐れて便意を我慢し、便秘をますます悪化させてしまうというケースも少なくないようです。便を軟らかくすることができれば、そんな苦痛から解放され、便秘も良くなりそうですようね。そこで今回は、便秘の原因と症状とともに、便秘になった際に便を軟らかくする方法について紹介します。

便秘について

まずは、便秘の原因や主な症状、種類について紹介します。

●原因
便秘の原因は人によって様々ですが、今回は食事に関するものを2つ紹介します。

・ダイエット
過度なダイエットで食事量を減らしたり、朝食を抜いたりすると、便の材料となる食べ物のカスや食物繊維が不足し、便の量が減ってしまいます。少ない便では腸壁に刺激を与えることができないため、腸のぜん動運動が促進されず、便秘となってしまうことがあるようです。

・偏った食生活
肉や卵などのタンパク質は腸内でそのほとんどが吸収されてしまいます。そのため、肉類中心の食生活を送っていると、便のカサが減って腸の動きが弱まり、便秘になる可能性があります。また、動物性食品を多く食べすぎると、腸内の悪玉菌が増加しやすくなるので、腸内環境が悪化して便秘を発症することも考えられます。

●症状
便秘が原因で起こる症状の一例を紹介します。

・お腹が張る
便秘が続いて腸内の悪玉菌が増加すると、便が腐敗してガスが発生します。そのガスがたまると、お腹がパンパンに張って苦しい状態が続いたり、腹痛を感じたりすることがあります。

・肌荒れ
大腸には便から吸収した栄養素を血液中に取り込む働きがあり、取り込まれた栄養素は、血液の流れに乗って全身へと運ばれます。そのため、便秘が長く続いて腸内で便の腐敗が進み、アンモニアなどの有害物質が発生すると、それらも一緒に血液中へ取り込まれてしまいます。そうして有害物質が全身へと運ばれた結果、皮膚のターンオーバーを妨げて肌荒れを起こすことがあるようです。

●種類
便秘の種類は、まず便秘が起こる原因によって「器質性便秘」と「機能性便秘」に分けられます。それぞれの特徴について見ていきましょう。

【器質性便秘】
大腸や小腸の形態的変化が原因で起こる便秘です。腸の形態の違いによって、次のように分類されます。


① 狭窄性
ガンや腫瘍などの疾患によって腸が狭まる(狭窄)ことで、糞便の通過が物理的に障害されて発症する便秘です。原因としては、大腸癌や腹腔内腫瘍といった腫瘍性疾患のほか、クローン病や虚血性大腸炎などの非腫瘍性疾患が考えられます。


② 非狭窄性
狭窄以外の腸の形態変化で起こる便秘です。症状によってさらに「排便回数減少型」と「排便困難型(器質性便排出障害)」に分けられます。

●排便回数減少型
巨大結腸などが原因で大腸が慢性的に拡張し、腸の動きが弱まることによって、便がうまく運ばれなくなり、排便回数や排便量が減少するタイプです。

●排便困難型(器質性便排出障害)
直腸にたまった便を十分量かつ快適に排出できなくなる便排出障害が原因で起こる便秘です。主な原因として、直腸瘤や直腸重積、S状結腸瘤などが挙げられます。

【機能性便秘】
大腸の形態的変化を伴わない便秘で、次のように分類されます。


① 排便回数減少型
排便回数や排便量が減少することで、腸内へ便が過剰にたまってしまい、腹部の膨満感や腹痛などを起こす便秘です。大腸の動きが正常かどうかで次の2タイプに分けられます。

●大腸通過遅延型
大腸の便を輸送する能力が低下することによって、排便回数や排便量が減少する便秘です。原因には特発性(原因不明)、症候性、薬剤性などがあります。

●大腸通過正常型
大腸が便を輸送する能力は正常であるにもかかわらず、排便回数や排便量が減少して起こる便秘です。これには便の元となる食事量の不足、特に食物繊維の摂取量の不足が原因となるケースがあります。便のカサが減って排便回数が減少したり、腸内で便が留まることで水分が吸収され、固まって排便困難となります。


② 排便困難型
排便時に直腸内にたまった便を十分量かつ快適に排出できず、残便感を生じる便秘です。

●機能性便排出障害
機能的な病態によって、直腸にある便を十分量かつ快適に排出できなくなる便秘です。主な原因として、骨盤底筋協調運動障害や腹圧(怒責力)低下、直腸感覚低下、直腸収縮力低下などが考えられます。

●大腸通過正常型
排便回数や排便量は減少していないにもかかわらず、便が硬くなり、排便時に痛みを感じたり、強くいきまないと排便できなかったりする便秘です。

便秘になったときの食生活の改善ポイント

便秘の解消法として、食生活の改善が挙げられます。ここでは、食生活で特に意識するべきポイントを2つ紹介します。

・朝食をしっかり食べる
食べ物や飲み物が胃に入ると、それが刺激となって腸のぜん動運動が起こります。特に朝食は、寝ている間に空っぽになった胃に食べ物が入るので、胃腸が刺激を受けやすく、腸のぜん動運動が活発になるといわれています。そのため、食事の中でも特に朝食をしっかりと食べると良いでしょう。

・食物繊維を意識してとる
野菜や果物、海藻などに多く含まれる食物繊維には、腸内の善玉菌を活性化させる働きがあるといわれています。また、食物繊維には水溶性と不溶性があり、不溶性には便のカサを増やして腸壁を刺激し、腸のぜん動運動を促す働きも期待できます。ただし、便秘の人が不溶性食物繊維を取りすぎると、腸が詰まって便秘を悪化させる可能性もあるので、摂取量には注意が必要です。

便を軟らかくする方法

 便を軟らかくするためには、水分をたっぷり摂取することが大切です。というのも、便は、食べ物の栄養分が吸収された後の残りかすと水分、生きた腸内細菌(腸内フローラ)、剥がれた腸粘膜でできています。それらの中でも最も多いのは水分で、この水分量によって便の硬さが変わります。健康な人の理想的な便は、約80%が水分でできており、適度な軟らかさを保った「バナナ型」なのだそう。そのような便をつくるためには、十分な水分を取ることが重要なのです。なお、水分を摂取する際には以下の点を意識すると良いでしょう。

・1日に2リットルは水分をとる
飲んだ水の大半は尿や汗となって排出されてしまうので、水分は多めに摂取することが大切です。便秘の時には、1日に2リットルくらいを目安に飲むと良いでしょう。特に、朝一番に水を飲むと、水分が取れるのはもちろんのこと、胃腸を刺激して腸のぜん動運動を促す効果も期待できるのでおすすめです。

・利尿作用のある飲み物は避ける
お茶やコーヒーなどに含まれるカフェインには利尿作用があるので、せっかく飲んだ水分が尿として排出されやすくなってしまいます。そのため、なるべく水や白湯を飲むのがおすすめ。そのほか、牛乳や豆乳などでもOKです。

まとめ

便を軟らかくするためには、水分の摂取量が重要であることが分かりました。皆さんも今回紹介したポイントを参考にして、こまめに水分を摂取するようにしてくださいね。また、肉類中心の食事をしている人は、野菜や果物も意識して食べると良いでしょう。食物繊維は腸内で水を吸って膨らむので、便に含まれる水分量が増えるとともに、便のカサが増して腸壁を刺激し、腸のぜん動運動も起こりやすくなるはずです。