知って得する! 腸活コラム 知って得する! 腸活コラム

VOL.115 コロコロ便しか出ない便秘の原因は?症状が続くリスクと解消方法を紹介

便秘の症状はさまざまですが、コロコロした便しか出ない場合も便秘症状の1つと言えます。便がまったく出ないわけではないため、そこまで重症ではないと放置してしまう方も少なくありません。

そこで今回はコロコロした便しか出ない便秘の原因や、症状が続くリスク、解消方法を紹介します。

コロコロした便しか出ない便秘の原因

コロコロした便が出る便秘は女性や高齢者に多くみられる傾向にあります。

その理由として、女性はダイエットによって1回の食事量が少なくなってしまったり、女性ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなったりしてしまいがちになるためです。

また、高齢者は食事量や飲水量がそもそも減ったり、運動量や活動量が低下したり、腸の動きが若い頃に比べて衰えてしまうためです。

これ以外にコロコロした便が出る原因はいくつかありますので、以下で紹介していきます。

水分不足

コロコロした便が出るひとつの原因は水分不足です。便を構成する成分のうち、実に60~80%は水分でできているため、水分量が減ってしまえば、硬い便が形成されやすくなります。

口から入ってくる水分は、小腸や大腸から体内に吸収され、体内の水分量が適度に保たれます。体内の水分が不足すると大腸での水分吸収が強く働き、便に移行する水分量が減ってしまいます。

反対に体の水分量が十分であれば、便に水分が留まるため、適度な水分がある便になり、排便しやすくなります。

ストレスや疲労

ストレスや疲労をかかえることもコロコロ便の原因になってしまいます。人間は外的ストレスにさらされたり、疲労が蓄積したりすると、交感神経の働きが強くなり、大腸が収縮してしまいます。

大腸が収縮することで、腸内容物(便のもと)は腸内を移動しにくくなり、便となって直腸付近まで下りてくるのに時間がかかってしまいます。腸内容物が大腸に長く留まると、水分がどんどんと腸から吸収されてしまい、水分不足になったコロコロ便が形成されやすくなります。

大腸がんや過敏性腸症候群

コロコロした便が出る便秘が続く場合は、大腸がんや過敏性腸症候群の可能性もあります。

過敏性腸症候群は、腸に異常がないのに腹痛を伴い、便秘や下痢を繰り返すのが特徴です。便秘を呈する場合には硬い便による残便感を伴うことが多くなります。

大腸がんは便秘と下痢を繰り返したり、血便が出たり、といった症状がみられます。大腸が物理的に狭くなっているため、便の通過が障害されている状態です。 とくに40代後半から下痢や便秘の症状が繰り返し出ている場合は、医療機関を受診してチェックしてもらいましょう。

便秘が続くリスク

コロコロした便しか出ない状態が長く続くと、便秘以外の症状が出るリスクがあります。ここでは、便秘が続く場合に考えられるリスクを解説していきます。

腹痛やお腹の張り

便が十分に排出されない状態が続くと、腹痛やお腹の張りにつながる可能性があります。

便が排出されにくいのに腸は便を出そうと動くため、それがお腹の痛みとなって感じられます。

また、腸の内容物は滞留状態が長くなると腸内細菌による腐敗が進み、臭いを伴うガスが発生します。そのため、おならが出やすくなったり、ガスが腸に溜まってお腹が張ったり、体臭や口臭が強くなることもあります。

硬い便を無理に排泄しようとすると、肛門に負担がかかって、いぼ痔になることがあります。また、便が硬いと、排泄時に肛門に硬い便が擦れて肛門が裂傷し、切れ痔になる場合もあります。

いったん痔を患ってしまうと、排便時に痛みを感じるようになり、便秘の状態が悪化することがあります。

免疫機能の低下

腸には消化吸収という役割以外に、口から入ってきた病原体に対する抗体や免疫細胞が数多く存在するため、「腸管免疫」と呼ばれる免疫機能が備わっていることがわかってきました。この「腸管免疫」は腸内環境が影響しており、腸内環境が良いと免疫機能がよく働くと考えられています。

しかし、便秘で腸内環境が悪化してしまうと、「腸管免疫」の働きが低下するため、感染症にかかりやすくなると言われています。

自律神経の乱れ

便秘になると、腸内環境と密接な関係にある自律神経にも悪い影響を及ぼす場合があります。腸と脳はお互いの状態が影響しあうためです。

自律神経が乱れると、気分が落ち込んだり、やる気や活力が湧かなかったりして、日常生活にも影響することがあります。

また、血行不良をもたらすこともあるため、肌荒れが起きたり、吹き出物が出やすくなったりして、厄介な肌トラブルの原因につながることがあります。

さらに、めまいや吐き気、食欲不振を引き起こす可能性もあります。こういった体の不調が出ると、血行もさらに悪くなり、肩こりや腰痛を引き起こす場合もあります。

コロコロした便しか出ない便秘を改善する方法は?

ここまで解説したとおり、コロコロした便しか出ないのは便秘に分類され、便秘を放置することでほかの症状に悩む可能性もあります。そうならないためにも早めの対処が必要です。

ここからはコロコロした便しか出ない便秘を解消する方法を紹介します。

水分の摂取量を増やす

先述したように、コロコロした便しか出ない便秘では、体の水分が不足している場合が多いです。そのため、1日2リットルを目安に、こまめに水分補給をしましょう。

水分補給をする際は利尿作用があるお茶やコーヒーではなく、水か白湯で摂取することが望ましいです。

食物繊維や乳酸菌を意識して摂る

食物繊維が不足すると便秘になりやすいと言われています。とくにダイエットをしている女性や食事量が低下しがちな高齢者では、便のもとになる食物繊維量が少なくなります。

そのため、十分量の便が作られず、腸内容物の送達運動も弱くなって、コロコロとした便が形成されやすくなります。

食物繊維は野菜や果物に多く含まれているため、積極的に摂るようにしましょう。

また、腸内環境を良くするために、ビフィズス菌や乳酸菌を含んだものを食事に摂り入れるのも良いでしょう。

生活のリズムを整える

食事は1日3食をなるべく同じ時間帯にとり、睡眠は同じ時間帯にするようにしていくと、排便のリズムも整ってくると言われています。

睡眠中は、夕食で摂った食べ物を胃や腸で消化するため、翌朝には胃や腸がほぼ空っぽの状態です。そこに朝ごはんが入ってくると、胃-結腸反射が起こりやすく、大腸の動きが活発になり排便しやすくなります。

そのため、朝食後は便意がなくてもトイレに行く習慣をつけると良いでしょう。

適度な運動をする

体を動かすことで血行が良くなり、大腸の動きも活発になると言われています。また、腹筋が鍛えられると、排便のときに必要な筋肉も鍛えられ、排便しやすくなります。

運動するとストレス発散にもなるので、自律神経の乱れを解消するのにも効果的です。

便秘薬を試す

なるべく早く便秘を解消したい場合は、便秘薬を試す方法があります。

コロコロした便が肛門付近に溜まっている場合は別ですが、慢性的な硬便でお悩みの場合は酸化マグネシウムを使った便秘薬が有効です。 酸化マグネシウムは便に働きかける(便に水分を引き寄せて柔らかくする)ため、お腹が痛くなりにくく、高齢者でも使用できます。最初は少ない用量から始め、用法用量を守って服用するようにしましょう。

コロコロした便しか出ない便秘が続く場合は早めの対策を

コロコロした便しか出ない便秘は、水分不足やストレスが大きな原因と考えられています。そのほかには大腸がんや過敏性腸症候群の場合もあるため、普段の便通が気になる方は医療機関を受診してください。 便秘はさまざまな不快な症状を引き起こします。水分をこまめにとり、ストレスや疲れを日頃から溜めない生活習慣を心がけていきましょう。

すばやく便秘を解消するなら……便秘薬

 

 

日常生活の中で便秘解消を心がけてもなかなかできない場合は、薬物療法が効果的です。そこでおすすめとなるのが、酸化マグネシウムの便秘薬です。

酸化マグネシウムは数ある便秘薬成分のなかでも「非刺激性下剤」に分類され、「刺激性下剤」と異なり腸を直接刺激せず便に作用して排便を促すので、お腹が痛くなりにくいばかりでなく、クセにもなりにくいという特徴があります。

健康食品やサプリメントなど、便秘解消に効果があるとされているものはたくさんありますが、「便秘薬」ですばやく便秘を解消し便秘の慢性化を防ぎましょう。