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VOL.63 【医師監修】便秘を解消するにはどんなサプリがいいの?選び方と成分まで徹底解説

「スッキリせずお腹に不快感がある」など、便秘で悩んでいる方は少なくありません。水や野菜を多めに摂取したとしても、便秘にはさまざまな原因があるため、なかなか改善されない場合もあります。

そんな時、サプリメントを検討する方もいると思いますが、便秘に効果が期待できるというサプリメントは豊富にあるので、どれを選べばよいか迷うこともあるでしょう。そこで今回は、便秘を解消するためのサプリメント選びのポイント、そして成分についても徹底解説していきます。

サプリで便秘は解消できる?

そもそもサプリメントとは、普段の食生活で不足しがちな栄養素を補うための健康食品で、薬効成分が入っているわけではありません。サプリメントというのも、日本語に訳すと「補う」という意味です。

そのため、サプリメントを飲めば便秘解消効果が期待できるのではなく、サプリメントとあわせて普段の食生活の見直しをすることで便秘解消をめざせるのです。つまり、サプリメントだけに頼らず、バランスのよい食事を心掛けるようにする必要があります。

便秘を解消するためのサプリの選び方

便秘解消をうたっているサプリメントは、多くの種類があり配合されている成分もさまざまです。そのため、いざサプリメントを飲もうと思っても、どれを選べばよいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。

そこで、下記ではサプリメントを選ぶ際に、ぜひチェックしていただきたいポイントを紹介します。

●「トクホ」=特定保健用食品のものを選ぶ
通称「トクホ」とは、正式名称を特定保健用食品といい、消費者庁長官が表示を許可している食品です。トクホの食品は、健康性の維持増進に役立つ効果があるかどうかを国が審査しています。

国の審査を通過した食品となれば、初めてサプリメントを使用する方も安心して使用できるのではないでしょうか。

また、トクホの食品には、人が空を仰いでいるような決められたマークがついています。サプリメントを選ぶ時は、トクホのマークがあるものを選ぶのもおすすめです。

●「機能性表示食品」のものを選ぶ
「機能性表示食品」とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた安全性や機能性などの情報を消費者庁長官に届け出て、機能性を表示した食品です。

トクホのように、消費者庁長官が個別に許可をした食品ではありませんが、既定の手続きによって消費者庁長官に届け出ているため、その機能性について表示できるようになっています。

こちらにはマークはありませんが、サプリメントのパッケージに「機能性表示食品」と表記がありますので、選ぶ際の参考にしてみてください。

便秘解消が期待できるサプリの成分

便秘サプリメントには、さまざまな成分が配合されています。ここからは、便秘解消をめざせるサプリメントの成分名と、どんな働きをするのか、期待できる効果をお伝えしていきます。

●便秘解消と言えば、食物繊維!
便秘に悩んだとき、まず「食物繊維」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。便秘解消に期待ができるサプリメントにも、食物繊維を含んだものが数多くあります。

食物繊維は、人間の消化酵素で分解されない難消化成分で、お腹の調子を整えてくれると考えられています。食物繊維は腸にたどり着くと、便のかさを増やしたり、便の水分を増やしてやわらかくしたりする働きをします。

また、食物繊維は整腸効果のある善玉菌を増やす働きもあると言われており、便秘を解消するために大切な成分です。

●オリゴ糖
てんさいオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖など、さまざまな種類があるオリゴ糖は、ビフィズス菌をはじめとする善玉菌のエサになります。したがって善玉菌を増やす手助けとなり、腸内環境を整えていくと考えられています。

●酸化マグネシウム
マグネシウムはミネラルの一種で、中でも酸化マグネシウムは、昔から副作用の少ない緩下剤として使われてきた成分です。お腹に優しくクセになりにくい傾向があります。

酸化マグネシウムは食べ物と一緒に腸内に入ると、水分を吸収します。一度、酸化マグネシウムが吸収した水分は腸壁に吸い取られないため、便をやわらかくしたり、かさを増したりすることができます。

さらに、水分を含んで膨張した便が腸を刺激すると、ぜん動運動を活性化すると言われています。

便秘の方は、サプリといっしょに食物繊維を!

便秘を解消するためには、サプリメントを摂取するだけでなく、食物繊維を含んだ食品を意識的に摂るなど食事も見直すようにしましょう。

食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、役割が異なるため、バランスよく摂るのもポイントです。

不溶性食物繊維は、腸内で水分を含んで膨張することで、腸壁を刺激し腸の動きを促進します。水溶性食物繊維は、水分を蓄えることで便をやわらかくし、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果があると言われています。

不溶性食物繊維は、ごぼう、玄米、さつまいも、水溶性食物繊維は海藻類やバナナに多く含まれていますので、食事を摂る際に意識してみてください。

また、サプリメントとあわせて摂取する場合は、過剰摂取にならないように注意が必要です。食事で不足しているものをサプリメントで補うようにして、便秘解消を目指しましょう。

サプリに頼らず生活も見直そう!辛い便秘には薬の服用も!

便秘を解消するためには、サプリメントに頼りすぎず食事や生活習慣の見直しを行うことも大切です。食物繊維を意識した食事や、軽いウォーキングを心掛けましょう。

サプリメントを飲んでも便秘が解消されない場合は、お腹に刺激が少ない酸化マグネシウムを用いた便秘薬を使う方法もあります。便秘薬を使用する際には、用法用量を守って服用してください。

また、お腹の張りがひどい場合、何日も便が出ない場合などは、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

中島医師よりコメント
便秘を引き起こす原因は様々です。食生活や水分摂取量、運動習慣の見直しを行いながらサプリメントを追加してみて、それでも便秘が続くようなら医療機関を受診しましょう。便秘は放置せず、日頃から対処していくことが大切です。
監修者

医師:中島由美
金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。内科院長として勤務。