VOL.18 便秘が原因で口臭に? 便秘による口臭の原因と対処方法
便秘になると肌が荒れたり、イライラしやすくなったりするなど、身体に変化が現れます。そんな変化の一つに“口臭”があることを知っていますか?便が出ないことと口の臭いは、関係ないことのように思えるかもしれませんが、実は因果関係があるケースも存在するのです。今回は、便秘が原因で起こる口臭について紹介します。
自分の臭いが気になる…もしかしたら便秘が原因かも
身体の臭いは、食べるものや体調などによって変化します。例えば、ニンニクを食べ過ぎた人がニンニク臭かったり、アルコールを飲みすぎた人が酒臭かったりすることは珍しくありません。また、加齢による臭いの変化や、虫歯や歯周病などが原因で起こる口臭なども広く知られています。
そのような中で、意外と知られていないのが、便秘が原因で引き起こされる口臭です。その特徴は、「便の臭い」がすること。この臭いは、大人だけでなく、子どもにも起こる可能性があります。
・なぜ便秘が口臭の原因になるのか
腸に便がたまることによって、どうして口臭が起こるのかと不思議に思う人もいるのではないでしょうか。ここでは、主な原因を紹介します。
●腸内にたまった有害物質が血流にのって全身へ回る
便が腸内にたまった状態が長く続くと、腸内のタンパク質とアミノ酸が腐敗して悪玉菌が増え、腐敗臭を伴った有害物質が発生します。この有害物質は、腸粘膜から血中に吸収され、血流にのって身体中へ回ります。その一部が肺に届くと、呼気と一緒に排泄されて口臭の原因になるのです。なおこの時、肺ではなく、汗腺などから汗に混じって分泌されると、体臭の原因になります。
●腸内のガスが逆流する
ひどい便秘になると、腸内のガスが逆流することも考えられます。消化器官はつながっているので、腸から胃、食道、気道へとガスが逆流してゲップと同じように口から排出されるケースもあるようです。
便秘による口臭を改善するには
・口臭の原因である便秘を解消する
便秘による口臭は、腐敗した便から発生する有害物質や腸内のガスが原因で起こります。そのため、口臭を改善するには便秘を解消して、腐敗した便をお腹の中から出すことが何よりも大切です。ここでは、便秘を解消するための方法を3つ紹介します。
≪便秘の解消法≫
●食生活を見直す
まずは、十分な量の食事を摂ることが大切です。食事量が足りないと便そのものが少なくなり、腸の動きが鈍ってしまいます。そうならないために、バランスの良い食事を1日3食摂ることを心がけましょう。
食事内容については、食物繊維を含む食材を意識して食べるのがポイントです。食物繊維には水溶性と不溶性があり、水溶性は腸内の善玉菌を活性化する働きがあると言われています。また不溶性は、腸壁を刺激して腸のぜん動運動を促す働きが期待できます。ただし、便秘の人が不溶性食物繊維を摂りすぎると、腸が詰まって便秘が悪化する可能性もあるので、摂取量には注意が必要です。
このほかに、水分をしっかり摂ることも大切です。理想的な便は水分が約8割と言われています。水分不足で硬い便にならないように、こまめに水を飲むようにしましょう。
●なるべくストレスをためない
人間の自律神経には交感神経と副交感神経があり、副交感神経が優位になると腸の動きが活発になると言われています。副交感神経というのは、リラックスしている時に働く神経で、特に睡眠時に働きます。一方、ストレスを感じている時には交感神経が優位になり、腸の動きは鈍ってしまうと考えられています。
そのため、便秘解消にはストレスをためないことが大切です。また、就寝時間と起床時間をなるべく固定し、質の良い睡眠をとることを心がけましょう。
●適度な運動をする
運動には腸のぜん動運動を促す効果があると考えられています。なかでもウォーキングは、自律神経のバランスを整える効果があり、腸の働きを調整してくれると言われています。できれば、1日30分程度歩くと良いでしょう。ウォーキングが難しい場合は、室内でのストレッチでも便秘解消の効果が期待できます。。
便秘による口臭を治してくれる食べ物
便秘による口臭を改善するためには、腸内環境を整えてくれる食品を食べることが重要です。今回は、おすすめの食品を紹介します。
●牛乳・ヨーグルト
これらの食品は腸内善玉菌のエサとなる乳酸菌を多く含んでいるのでおすすめです。加えて、ヨーグルトには腸内環境を整える効果が期待できるビフィズス菌も多く含まれています。最近では、ビフィズス菌以外にも腸内環境の改善に効果的なさまざまな菌が入った商品が販売されているので、2週間ほど同じものを食べ続けても効果を感じられなければ、別の種類に変えて自分に合うものを探してみてください。
●みそ・納豆
みそや納豆などの発酵食品は、腸内の善玉菌のエサとなる乳酸菌やビフィズス菌、麹菌を増やす働きがあります。
●果物・海藻・きのこ類
これらの食材は食物繊維を多く含んでいるのでおすすめです。ただし、食物繊維は摂りすぎると便秘を悪化させてしまう可能性もあるので注意しましょう。
●蜂蜜・甘酒・オリゴ糖
糖分を摂取する際には、自然由来の甘味料がおすすめです。代表的なものは、蜂蜜・甘酒・オリゴ糖など。これらは胃で消化されにくく、栄養素も多いので腸で善玉菌のエサになります。一方、人工甘味料は、栄養素が少なく、腸内の悪玉菌を増加させてしまう恐れがあるので、摂りすぎには注意しましょう。
まとめ
軽度の便秘ですぐに口臭が起こるということはありませんが、便秘を放置していると、身体の臭いまで変化してしまうことが分かりました。便秘かなと感じたら、早めに食事内容や生活習慣を改善して、解消できるように心がけましょう。それでも効果がなかったら、市販薬を飲んだり、病院を受診するなどしてください。
子どもの場合は、口臭や体臭から便秘に気づくことができます。便の臭いを感じたら、排便のペースや量を確認し、便秘が疑われる時には早めに病院で診てもらいましょう。