VOL.8 便秘解消をサポートする飲み物とは?
便秘知らずの身体の基盤は、規則正しい生活と、栄養バランスのよい食事です。しかし、仕事や家事などで多忙を極める現代人にとって、これらを継続するのは容易ではありません。そこで取り入れやすいのが、便秘解消をサポートする飲み物。食事と一緒に、仕事の合間になど、気が向いたときに手軽に口にできるため、無理なく継続できるでしょう。今回は、便秘解消に効果的な飲み物を紹介します。
健康の基本は食事にあり。まずは、便秘を解消する食生活のポイントをチェック。
便秘にならないための食生活のポイントは、腸内環境を整える乳製品や発酵食品、良質な便を作る食物繊維や水分をしっかり摂取することです。これらは、一汁一菜が食事の基本であったひと昔前の日本では、無理なく自然と摂取できていました。しかし現在は、食の多様化が進み、コンビニやファストフード店で手軽に食事をとれるようになったことから、不足しがちになっています。まずは日々の食生活を整え、足りない部分は飲み物で補うようにしましょう。
・朝食
胃腸の働きが活発な朝は、絶好の排泄タイム。食べ物を消化するエネルギーを排泄に集中させることで、よりスムーズな排便が得られるようになると考えられています。そこで便秘時の朝食は、消化の負担が軽く、適度な糖分を補給できる果物と水の組み合わせがおすすめ。栄養価の高いドリンクに置き換えるのもよいでしょう。野菜や果物を使ったスムージーなら、食物繊維やビタミンもしっかり摂取できるので最適です。
・昼食
仕事や家事に追われていると、昼食はラーメンやうどん、丼といった炭水化物が多めの料理や、コンビニ弁当などになりがち。これでは栄養が偏ってしまいます。できれば手作りのお弁当を持参したり、栄養バランスの良い料理をきちんと自炊したいところですが、外食や市販品を利用する場合には、野菜がしっかり入っているメニューを選びましょう。また、食事に合わせて食物繊維の含まれた野菜ジュースや、腸内環境を整えるヨーグルト系の乳酸飲料をプラスするとなお良いです。
・夕食
食べ物の栄養を最も効率的に吸収できるのは、夕食のタイミングです。ここで、不足しがちな食物繊維や発酵食品をしっかり摂りたいところ。具だくさんのおみそ汁に納豆やキムチなどの発酵食品、主菜にはこんにゃくやしいたけ、根菜などを炊き合わせた煮物や、葉野菜ときのこ類の炒め物などを組み合わせてみましょう。主菜が肉類の際は、食べ過ぎにご注意を。肉類のタンパク質は腸内環境を悪化させる悪玉菌を増やすため、便秘の症状があるときは控えた方がよいでしょう。食後にコーヒーや紅茶を飲みたいところですが、夕方以降にカフェインを摂取すると寝つきが悪くなり、寝不足のストレスから腸内環境を乱す場合もあります。ノンカフェインでリラックス効果のあるハーブティーがおすすめです。
便秘に効く飲み物と、効果的な飲み方って?
便秘にならないためには水分補給が大切ですが、飲み物ならなんでもOKというわけではありません。コーヒーや紅茶などのカフェインを含んだ飲み物には利尿作用があるため、かえって体内の水分を排出してしまい、結果、便の生成に必要な水分が不足してしまいます。ここでは便秘解消におすすめの飲み物を紹介しますので、これらを上手に組み合わせてしっかり水分補給をしましょう。
・水
冷たい水は腸を刺激し、ぜん動運動を促してくれます。朝起き抜けに、コップ一杯の冷たい水を飲むのが効果的。ただし、冷え性の方は胃腸を冷やし過ぎてしまうため、常温水を飲むのがよいでしょう。寒い季節は50度程度の白湯をゆっくり飲むと、胃腸が温まり、動きが活発になります。また、胃腸が疲れているときや、固い便が出るときは、炭酸水がおすすめです。炭酸水に含まれる二酸化炭素には胃酸の分泌を促す効果があり、食べ物の消化を助けてくれます。さらに、固い便を柔らかくする作用もあるため、便秘解消に効果的です。新陳代謝を高め、ぜん動運動を促す酢を加えるのも良いでしょう。リンゴ酢や黒酢など、好みの酢で味に変化をつければ飽きずに続けられそうです。
・お茶
お茶にはさまざまな種類がありますが、便秘解消におすすめなのは、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なハーブティーや玄米茶です。利尿作用のあるカフェインや、便を固くするタンニンが多く含まれている紅茶や緑茶は避けましょう。
・ココア
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく含んでいるココアは、腸内環境を整えてくれる頼もしい飲み物です。ただし、カロリーも高いため、1日あたり1、2杯程度にとどめておきましょう。カロリーを調整するためには、砂糖の入っていないココア粉末で作るのがおすすめです。低脂肪の牛乳や豆乳に溶かして飲みましょう。また、甘さがほしいときには、善玉菌を増やす効果のあるオリゴ糖を加えるとよいでしょう。
・甘酒
食物繊維やオリゴ糖が豊富で、便秘解消にぴったりの飲み物です。ただし、米麹から作られたものでなければ効果は半減。市販のものを購入する際は成分表示をチェックし、「米麹」の記載があるものを選ぶようにしましょう。
・ヨーグルト系の乳酸飲料
腸内環境を整える乳酸菌やビフィズス菌が豊富。コンビニでもさまざまな種類のものがそろっており、好みのタイプを選べます。「最近、すっきり便が出ないな」と気になったとき、手軽に購入できるのもいいですね。
・子どもの便秘におすすめの飲み物
便秘といえば女性や高齢者がなりやすいイメージがありますが、実は近年、子どもにも多くみられるようになってきました。食の多様化が進んだことで、食物繊維が少なく、脂質の多い食事を摂る機会が増えたことや、習い事や塾のため夕食の時間が遅くなったことが影響し、現代の子どもは食生活・生活習慣ともに乱れがちな傾向にあります。また、学校のトイレで排便するのが恥ずかしくてトイレを我慢したり、進級や進学などによる環境の変化からストレスを感じたりすることから便秘を引き起こしてしまうケースもあります。
子どもの便秘解消のためには、栄養バランスのよい食事を与え、規則正しい生活が送れるよう環境を整えてあげることが第一。それでも改善されない場合は、子どもが飲みやすいヨーグルト系の乳酸飲料やココアをおやつ代わりに与えてあげるとよいでしょう。どちらも糖分が多く含まれているので、虫歯にならないよう、時間を決めて飲ませるようにしましょう。
・妊娠中は便秘になりやすい?妊婦さんが飲める飲み物とは?
妊娠中は大きくなった子宮に腸が圧迫されたり、ホルモンの影響などから大腸の運動機能が低下したりすることで、弛緩性便秘を引き起こす女性がとても多いです。とはいえ、つわりで思うように食事が摂れなかったり、大きなお腹を抱えては運動もしにくかったりするため、妊娠中の便秘解消はなかなか難しいのが実情。そこで妊婦には、味や香りのない水や炭酸水で、便を柔らかくして排便を促す方法がおすすめです。つわりが治まれば、食物繊維やオリゴ糖が豊富な青汁や、不溶性・水溶性の両方の食物繊維を含むココアなどもおすすめ。青汁には鉄分や葉酸など、妊娠中に積極的に摂りたい栄養分が豊富です。またココアには、血流を促進するテオブロミンが含まれており、身体の冷えが大敵な妊婦にはうれしい飲み物です。
まとめ
食事ほど意識することなく口にしがちな飲み物ですが、上手に利用すれば、便秘解消にとても効果的です。今回紹介したポイントを押さえながら自分にあった飲み物を選び、便秘解消に役立ててくださいね