便秘とは?
排便の仕組みに障害が起こり、便が非常に長い時間(個人差はありますが一般的に3~4日以上)腸内に留まり、排泄されることがない状態で不快感を自覚する場合に便秘と判断されます。
便秘には明確な定義がないため主観に頼るところが大きいのですが、「便が硬くて排便が困難」、「排便の回数が少ない」、「排便してもすっきりしない」といった症状があると言われています。
厚生労働省が昭和61年から3年ごとに実施している「国民生活基礎調査」によると、平成25年度のデータでは、当時の日本の人口が約1億2730万人とされているのに対し、便秘人口は約476万人もいるという結果になりました。また、男女別で比べてみると、女性の半数以上が便秘で苦しんでいるということがわかりました。女性の中でも、特に20代以上の方に便秘の自覚症状が多いようです。
これは女性ホルモンのバランスが変わることによって便秘が起こるためです。また、60歳以上になると、加齢による筋力の衰えや腸内感覚の低下、腸内細菌の弱体化などが原因で男女共に便秘人口が増加しています。最近では、子どもの便秘が増加していることも問題視されています。平成28年3月、NPO法人日本トイレ研究所が実施したインターネット調査によると、回答数4833人のうち、20%の小学生が便秘状態であるという結果が明らかになりました。
便秘の自覚症状がある場合はまだ対策を立てられるので良いのですが、「実は便秘の症状が出ているのに自身が便秘だと自覚していない」、「便秘が日常化してしまい、さほど深刻に考えられていない」というケースもあり、そういった潜在的な便秘人口は調査の数字よりももっと多いのではないかと考えられています。
本来、便通は毎日起こるのが健康な状態です。しかし、例え毎日便通があったとしても、便が硬くて量が少なく残便感がある場合は便秘症と言えるでしょう。そして、便がしばらく出なくても不快に感じないからと言って、そのままの状態で放置しておくのは良くありません。大腸がんなどの深刻な病気が隠れている場合があるので、いつもと違うと思ったら、すぐに病院を受診することをおすすめします。
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