コラム

【医師監修】花粉症の時期に肌が荒れるのはなぜ?原因や予防法を解説

2022.12.03|乾燥肌・スキンケア

くしゃみや鼻水、鼻づまりや鼻のムズムズに悩まされる花粉症。花粉によるアレルギー疾患のひとつである花粉症は、一年を通して多くの方々を悩ませます。

特に春は花粉の飛散種や飛散量が最も多いことから、「花粉症の季節」とも考えられています。そんな「花粉症の季節」というイメージの強い春は、花粉症だけでなく「肌トラブル」にも注意が必要となります。

そこで今回は、花粉症の季節に肌が荒れる原因と、その予防法をご紹介します。

花粉症シーズンに肌が荒れる理由は?

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花粉症だけでなく、寒暖差が大きく肌が揺らぎやすい春。気候の変化や昼夜の温度差により、皮膚のバリア機能が低下しやすくなるため「乾燥肌」にも気をつけなければならない季節です。

また、3月以降になると紫外線の量も増えます。紫外線量が増えると肌への負担も増加し、乾燥しやすくなるのです。ほかにも、春になると花粉が肌に付着することによる「花粉皮膚炎」になりやすい傾向がみられます。このように、さまざまな要因が重なり、春は乾燥肌などの肌トラブルを引き起こしてしまうのです。

かゆみや湿疹を伴う肌荒れは花粉皮膚炎の可能性も

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花粉シーズンの肌荒れは、乾燥肌を引き起こす要因のひとつである花粉皮膚炎の可能性があります。

花粉皮膚炎とは、肌のバリア機能が低下しているとき、首や顔など肌を露出している部分に花粉が付着することで起こる肌トラブルです。

花粉皮膚炎の主な症状としては、以下のものがあげられます。

【花粉皮膚炎の主な症状】
・ニキビのような、赤くて細かい湿疹が出る
・白い粉吹きがところどころ見られる
・目や鼻周りの肌の色が、ほか箇所の肌の色と異なる
・マスクと肌が擦れ合う箇所がヒリヒリする

花粉症シーズンの肌荒れ予防方法

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さまざまな要因が重なって引き起こされる春の肌トラブルや乾燥。特に花粉皮膚炎などの症状がひどければ、メイクもできず、痛みで基礎化粧品すら付けることができなくなってしまいます。

そんな花粉皮膚炎などの乾燥肌を予防するには、乾燥肌対策が不可欠です。とはいえ、ホルモンバランスが乱れがちな春は、肌も敏感になっています。

そこで、ここでは敏感になりがちな春の肌トラブルや乾燥を予防するための対策方法を紹介します。

肌のバリア機能を保つ

花粉の季節はバリア機能が低下しやすい条件がそろっているため、まずは正しい適切なスキンケアとしっかり保湿をし、バリア機能を保つことが大切です。しかし、花粉やマスクなどの刺激で、肌が敏感になっている可能性があるため、防腐剤や香料など肌を刺激する成分がはいっていないものを選ぶようにしましょう。

入浴後や洗顔後は、なるべく早く化粧水や乳液、保湿剤を使って肌に水分をたくさん入れるようにします。特にヒアルロン酸やグリセリンなど、高保湿とされる成分が入っているスキンケアがおすすめです。

また、化粧水をつけてもヒリヒリするなど、肌が敏感になっている場合は、肌を刺激しにくい純度が高く、刺激が少ない白色ワセリンを使うのも良いでしょう。肌にフタをして、水分が蒸散するのを防ぐ働きをしてくれます。

ただし、鼻や目の周りに赤みがあるなど、花粉皮膚炎の疑いがある場合は、早めに皮膚科を受診するようにしてください。

肌に花粉がつかないようにする

花粉が肌につくと、刺激となり肌荒れを引き起こす場合があります。特に普段から肌が乾燥している方は、外部刺激から肌を守ってくれるバリア機能が低下しているため、できるだけ花粉を寄せ付けないようにすることが大切です。

実は、くしゃみや鼻水など花粉症の症状がない方でも、花粉で肌荒れする可能性があります。花粉を肌や髪につかないようにするために、マスクやメガネ、帽子などを活用するのもよいでしょう。

また、帰宅後は肌だけでなく服や髪の毛にも花粉が付着しているため、すぐに顔を洗い、なるべく早めに着替えたりシャワーを浴びたりするのもよいでしょう。

規則正しい生活を送る

肌は約1ヶ月のサイクルで、細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」を繰り返しています。しかし、生活のリズムが乱れたりバランスの悪い食生活をしていたりすると、ターンオーバーに影響を及ぼし、結果バリア機能の低下を招くと考えられています。

花粉に負けない肌をつくるためには、就寝する時間を決め質の良い睡眠をとり、自律神経を整えることが大切です。

ほかにも、肌を健やかに保つために必要な「必須脂肪酸」や「タンパク質」「ビタミンB2・B6」を積極的に摂取するのもよいでしょう。

また、ストレスもターンオーバーを乱れさせる原因になると考えられているため、適度に発散することがおすすめです。運動は、ストレスの発散や睡眠の質を良くする効果、血行促進効果が期待できるので、1日1時間を目安に取り入れるようにしてください。

ウォーキングやヨガなどの有酸素運動を取り入れて、気分もスッキリさせながら、うるおった肌をめざしましょう。

乾燥しやすい花粉症シーズンの肌はしっかり保湿する!

花粉症の季節は、肌が乾燥しやすい条件がそろっており、マスクや鼻かみなどで摩擦され、バリア機能も低下しがちになります。まずはしっかりと保湿をして、バリア機能を保つようにしましょう。

また、目や鼻の周りだけ赤い、マスクで擦れる箇所がヒリヒリするなど、花粉皮膚炎の疑いがある場合は、早めに皮膚科を受診するようにしてください。ご自身の肌の状態と向き合いケア方法を選択しながら、うるおった肌をめざしましょう。

川﨑医師よりコメント

最近では花粉が肌につきにくい日焼け止めやファンデーションも販売されています。TPOに合わせて、そういった化粧品もうまく使用するとよいでしょう。

医師・川﨑加織
監修者
医師・川﨑加織

皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。 兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、病院やクリニック勤務を経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。

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